溶接110番・溶接レスキュー隊119番

神戸製鋼所溶接事業部門発行の技術誌「技術がいど」。この中の「溶接110番」・「溶接レスキュー隊119番」コーナーをまとめた電子カタログです。


>> P.83

01020304050ビードの長さ(MM)最高硬さ(HV)6070809010036038040042044030母材の炭素当量:0.41%使用溶接棒:D5016 4MMΦ溶接条件:溶接電流-170A      溶接速度-200MM/MIN温   度:15℃まず、仮付け溶接について説明します。仮付け溶接は、本溶接以上に重要なもので、本溶接にもまして多くの注意点があります。その中でも最も重要なものが「ショートビードの禁止」です。仮付け溶接のビード長さが短過ぎると溶接部が急冷し、溶接金属と母材熱影響部を著しく硬化させます。母材熱影響部の硬さに及ぼす仮付け溶接長さの影響の一例を図1に示します。ビードが短ければ短い程硬化する一方、ビード長さが約50㎜より長くなると最高硬さが横這いになります。一般に母材熱影響部がビッカース硬さで約350以上になると低温割れの発生の注意が必要で、さらに400以上になるとその危険域に入ると言われています。鋼種、鋼材炭素量や板厚、溶接方法により違いはありますが、ほぼ40∼50㎜が仮付け溶接の適正長さと言えます。それでは、本題のスパークしただけで割れる理由について説明します。電弧棒の溶接では、どうしても溶接棒をホルダーに挟んだままついつい手から離してしまうことがよく見受けられます。スパークさせないよう気をつけて近くにある機械や手摺りに引っ掛けても何かの拍子で足元に落ちスパークしてしまいます。このスパークのことを専門用語では、アークストライクと呼んでいます。アークストライクを起こすと何故割れるのでしょうか?もう一度図1を見てください。アークストライクはビード長さゼロであり、最高硬さは最高点を示しています。溶接金属と母材熱影響部の低温割れの最も発生の危険が高い溶接と言えます。アークストライクを防止するには、ホルダーを手放す時はホルダーから溶接棒を抜く習慣を付けるか、ホルダースタンドなど工夫してアークストライクを発生させないよう十分心掛けることが大切です。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部技術サービス室)金子保藤沢0466―20―3000溶接110番溶接110番大阪06―6206―6400母材へのアークストライクが禁止の理由高張力鋼のタック溶接(仮付け)をやっています。溶接棒をホルダーに挟んだまま鋼板に置いた時、溶接棒がスパークしてしまい、ベテランの人に「気をつけろ!割れるぞ」と言われました。何故スパークしただけで割れるのか教えてください。(千葉県Y土木工業)図1ビード長さと最高硬さ関係7


<< | < | > | >>