用語解説


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本誌を読まれる方が「ヒューム」と聞けば、ただちに「溶接ヒューム」のことと考えるでしょう。しかし、単にヒューム(FUME)といえば、もっと広い意味を持っています。ヒュームとは、空気中に浮遊する微細粒子の一つの呼び名で、この種の呼び名はほかにもいろいろあります。ただし、必ずしも厳密な区別はされていないようです。最も広義の名称としては「エーロゾル(AEROSOL)」というのがあり、気体中に固体や液体の微細子が浮遊した系を総称するものです。エーロゾルのうち、固体の微粒子が浮遊したものに「粉じん(DUST)」、「ヒューム」、「煙(SMOKE)」があり、微粒子の成因から次のように区分されます。粉じんは、もともと固体の微粒子が空気中に飛び散った場合で、砂ぼこりなどがこれに当たります。粒子の径は0.2∼10Μていどです。ただし粉じん則などでは、この用語を広くエーロゾルの意味で使っています。問題のヒュームは、高温の物質から発生した蒸気が、温度が下がって凝縮した固体の微粒子を指します。従って、元の物質とは組成が変わっているのがふつうです。亜鉛を溶解した時に出るヒュームは酸化亜鉛からなり、溶融鉄から出るものは酸化鉄のほか酸化マンガンなども含みます。溶接の時は、溶融したフラックスからもヒュームが出るので、複雑な組成となります。ヒューム粒子の大きさは、通常0.1Μから数Μになります。煙と呼ばれるものは、主として有機化合物が燃焼して生じる分解生成物の微粒子で、火があれば煙が立つという一般的な常識のとおりです。粒子の大きさは0.1Μ前後と小さくなりす。たばこの煙のように、煙と呼ばれる中には、固体だけでなく液体の微粒子を含むことが多いようです。液体の微粒子が浮遊したエーロゾルには、「ミスト(MIST)」と「霧(FOG)」があります。ミストは、液体が飛び散って生じたもの、霧は、蒸気から液体が凝縮して生じたものというのが一般的な区別で、粉じんとヒュームの区別と似ています。ほかに、「スモッグ(SMOG)」というのは、SMOKEとFOGの合成語で、煙が存在する時に生じる霧のことです。このように、「ヒューム」はエーロゾルの一種(または粉じんの一種)で、我われが接するものは「溶接によって生じるヒューム」と呼ぶのが正確でしょう。規格などでは必ず「溶接ヒューム」と書いてあります。しかし、溶接関係者の間では単に「ヒューム」と呼べば十分でしょう。なお、フュームと書くのは国語審議会の出している表記基準と一致しません。(1980年6月号)ヒューム写真1ヒューム一次粒子の大きさと形状126126


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