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-1-延性破壊は、力を加えたとき伸びを伴って破壊する現象です。例えば、引張試験を行うと、ガラスのような脆い材質のものは、伸びずにポキンと一気に破断してしまいますが、軟鋼やアルミニウムなどは、伸びを伴いながら徐々に細くなり破断に至ります。後者のような現象を「延性破壊」と呼んでおり、降伏点以上の大きな力が加わった時に起こります。例えば、次のような場合です。1)断面積が小さい線材(硬い材質を除く)などに応力が加わり、破断する時。2)機械や構造物が壊れる際に最後に破断する時(最終破断部)。2)について少し説明します。機械や構造物の破損は、多くの場合、繰返し応力による疲労破壊や腐食が関与した破壊と言われていますが、疲労亀裂等の発生・進展に伴って、応力が徐々に高まると、最終破断部付近は材料強度以上の応力状態になるため、延性的に急速破断延性破壊で機械や構造物が壊れた時に、その破断面(破面)がどのように見えるかを、低炭素鋼を用いて、引張試験とせん断試験を行った試験片で紹介致します。引張試験後の観察結果を図1に、せん断試験後の観察結果を図2に、それぞれ示します。破面を拡大して見ると、図1および図2のSEM写真で観察されるようなディンプルパターンと呼ばれる多数の凹みが観察されます。ディンプルパターンは、延性破面のミクロ的な特徴として広することが多く見られます。延性破面><く知られているものです。<延性破面のでき方>延性破面のでき方を図3~図5に示します。ディンプルパターンの凹みは、主に、次のような現象から形成されます。素材には介在物やボイドなどが内在していますが、降伏点以上の力が加わると、介在物やボイドは伸びずに、その周囲のみが伸びて空洞ができたり、長くなったりします。さらに大きな力が加わると、素材はどんどん伸びてついには隣り合った空洞が合体し破断します。この時に破断面に残された空洞がディンプルパターンです。ディンプルパターンにはいくつかの違った見え方があります。その見え方によって素材にどのような方向の応力が加わっている(引っ張られる)かが分かります。例えば、図1および図3に示すような等軸型のディンプルパターンが観察される時は、破面に対して垂直方向の応力が加わっていたことが分かり、図2、4および5に示すような伸長型のディンプルパターンが観察される時は、せん断方向や引き裂き方向の力が加わっていることが分かります。<まとめ>破面に観察されるディンプルパターンから様々な情報を得ることができます。上記に示したように、ディンプルパターンの模様から応力方向が分かり、また、定性的ではありますが、<延性破壊とは>で記述した最終破断部の発生領域の大小からも応力状態(大、小)を推測することができます(最終破断部の領域が大きいと構造物に加わっていた力も大きい)。延性破壊試験・調査報告延性破壊とは><神鋼溶接サービス(株)技術調査部雨谷厚志