試験・調査報告


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-1-脆性破壊試験・調査報告脆性破壊とは><私達が利用している鋼などの金属材料の多くは、力が加わると伸びる特性を持っています。しかし、条件が整えば伸びずに材料が持っている力よりもはるかに低い力でも壊れてしまうことがあります。このような壊れ方を「脆性破壊」と呼んでおり、多くは弾性領域注1)内で起こるものです。注1)弾性領域:金属材料に力を加えていった時に、ある領域までは力を除くと元の状態に戻りますが、更に力を加えると元の状態に戻らなくなります。そして、続けて力を加えていくと最大力に達して破断に至ります。弾性領域とは元の状態に戻る領域を言います。は、脆性破壊を起こしやすい条件を次に示します。で1)加わる力の大きさと速度・加わる力が大きくて速いほど脆性的に破断しやすくなります。例えば、阪神・淡路大震災でいくつもの建築構造物が壊れたことが挙げられます。地震がいかに大きな衝撃力であったかが分かります。2)形状(応力集中するような切欠きの鋭さ)・切欠きが鋭いほど切欠き係数が高くなり小さな力でも破壊に至ります。例えば、丸いリンゴを手で割るのは大変ですが、リンゴにナイフなどで傷をつけておくと、手でも容易に割れます。力を加えるレベルは違いますが、鋼でも同様と考えてください。3)環境・低温脆化:金属材料(鋼などの体心立方格子の金属)がある温度以下になると脆化する現象です。タイタニック号が氷山にぶつかって沈没した事故は有名ですが、船体が寒い海上で鋼が脆化する温度以下になっていたことも原因のひとつであると言われています。4)その他・構造物や機器などを組み立てるために溶接すると、溶接部の一部は常に引っ張られる状態になります。溶接用語ではこの状態の箇所を「引張残留応力が加わっている箇所」と呼んでいます。その箇所に加わる引張力はかなり強くなる場合があり、外部から材料自身が持っている力よりもはるかに小さい力が加わるだけでも割れて(脆性破壊)しまうことがあります。また、溶接時に加わる熱によっても材料は脆化することがあります。この熱が加わる領域を熱影響部と呼んでいます。それ以外にも溶接部は、形状的に切欠きとなるような応力集中部を作ってしまうことが少なくありません。


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