●神溶会 新会長メッセージ

ユーザの課題解決活動をともに推進し、
未曾有の経済環境をともに乗り越える神溶会に

神溶会会長 株式会社 神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター 国内営業部長 兼 造船・化工機営業室長 広崎 成一

神溶会会長
株式会社 神戸製鋼所 溶接事業部門
マーケティングセンター 国内営業部長 
兼 造船・化工機営業室長
広崎 成一

平素より、神溶会の皆様には当社溶接材料・溶接システムの販売に多大なるご高配を賜り誠にありがとうございます。また、日頃からの神溶会活動へのご理解とご協力を賜り、改めて厚く御礼を申し上げます。


本年6月より、前任の有園から、神溶会会長ならびにマーケティングセンター 国内営業部長を拝命致しました。引き続き、ご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます。


さて、溶接業界を取り巻く環境ですが、昨年2019年度は、建築鉄骨での案件の端境期が継続し、自動車や建設機械での台風被害影響などもあり、国内需要は一昨年度より減少となりました。建築鉄骨向けの需要回復は2020年度下期以降とみていたものの、足元新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕在化、自動車向けでは、海外からの部品供給の影響や国内外での販売低迷により、自動車メーカ各社で生産停止や一時休業となるなど深刻な影響が出ております。

現在のところ、鉄骨ファブでの仕事量への影響は全体としては軽微ですが、テレワーク継続による図面遅れや、外国人宿泊者の激減による宿泊施設の建設中止、東京五輪の延期などから工事計画の変更などが予想されます。海外でも、中国では製造業の生産活動が再開しているものの、都市封鎖措置が続いた欧州、米国、アセアンでの需要回復は厳しく、日本の製造業へのさらなる影響拡大は必至とみています。


政府の緊急事態宣言発令を受け、当社でもテレワークや時差出勤など感染防止対策を進めてまいりました。溶接の営業は、ユーザ、神溶会の皆様と直接顔を合わせることが基本ですが、緊急事態措置が解除された現在でも、人と人との距離を保つことが求められています。営業活動が制約される中、ユーザ、神溶会の皆様に何が提供できるかを考え、スマートフォンアプリやホームページにて新商品情報や溶接トラブル解決法の解説動画などコンテンツを拡充し、リモートでのソリューション提案や課題解決を進めています。具体的には、2020国際ウエルディングショーにて公開を予定していた最新ソリューションのご紹介や、YouTube「溶接講座」にて、溶接現場で頻発するトラブル解消法を随時動画を公開しています。今後、英語版動画の公開も予定しており、外国人技能者や海外での現場指導にも活用いただければと考えております。


リーマンショックを超える経済環境悪化を覚悟する必要はあるものの、ここ数年高まっているユーザのコストダウンや省人化のための溶接自動化・高能率化ニーズは不変です。溶接システムや小型可搬型溶接ロボット 石松、溶接材料を組合せた多様な自動化・高能率化メニューをもって、神溶会の皆様とともに溶接現場に足を運び、課題を聞き、肌で感じるニーズを踏まえた新技術、商品をはじめとした提案活動をさらに強く推し進め、この難局を一丸となって乗り越えていきたいと思います。

そして、人と人、地域とのつながりを大切にし、ニーズに対応した溶接ソリューション提案を正しく伝えていただく人材を育てていく、これが2021年に迎える、神溶会70周年に向けての活動テーマとなります。


「差しあたる事柄のみをただ思え 過去は及ばず 未来は知られず」

過去を悔やんだり、まだ来ぬ未来の取り越し苦労はせず、今為すべき事を為しなさいという昔の言葉が、しみじみ身にしみるこの頃です。

未曾有の経済環境に直面する中ですが、我々神鋼営業部員は足元を固め、会員皆様そしてその先の需要家の皆様に、安全かつ確実に製品、サービスをご提供していくことに専心努力して参ります。

この先ゆっくりと、ということになるかもしれませんが、さまざまな機会を設けて、会員皆様と‘溶接業界で為すべき事’ について語り合える日を楽しみにしております。





PAGE TOP