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-1-物質の表面について調べる装置のことを、表面分析装置といいます。表面分析装置には、表面の形状を観察する走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー顕微鏡、表面を構成する物質を分析する電子線マイクロアナライザー(EPMA)やオージェ電子分光装置(AE)、二次イオン質量分析装置(SIMS)等があります。ESCAは、後者の一つで、ElectronSpectroscopeforChemicalAnalysisの略称です。また、XPS(X-rayPhotoelectronSpectroscope)と呼ぶこともあります。ESCA分析の特徴としては、①物質の極表面(数nm)の情報が得られること、②物質の化学結合状態を調べられる(=状態分析)こと、の2点が挙げられます。ESCAで測定することができる元素は、Li~Uの全元素です。<2.装置概要>神鋼溶接サービス㈱が保有しているESCAは、アルバック・ファイ社製PHIQuanteraSXMです。X線のビーム径を100~10μmまで絞って測定することができる、μ-ESCA仕様となっています。絞りには回折ミラーを用いており、プローブを絞っても線量が保たれるため、高感度の測定を行うことができます。X線は、Al単色化線源であり、分解能が高いことが特徴です。X線をスキャンしてイメージ画像を観察したり、線・面分析を行うこともできます。装置外観を、写真1に示します。超高真空の測定チャンバー(×10-6~10-8Pa)と、測定指令や解析を行うパソコンで構成されています。試料の分析位置は、専用の光学顕微鏡(倍率;×150固定)で試料位置を座標登録し、装置内で座標再現することで決定しています。測定チャンバーには、試料の前処理真空チャンバーである、冷却破断装置が付属しています(写真2)。冷却破断装置は、大気接触の履歴がない、新鮮な破断面を観察する時に使用します。冷却装置内に導入した試料を、液体窒素を用いて間接冷却した後に、衝撃を加えて破断します。破断した試料は、真空中で測定チャンバーに受け渡されます。この一連の作業は、すべて超高真空の環境で行われるため、新鮮な破断面試料を観察することができます。X線光電子分光装置(ESCA)試験・検査機器1.はじめに><測定チャンバー操作・解析用PC破断装置装着部位置決定用光顕液体窒素デュワー装着部写真1装置外観写真2冷却破断装置<3.測定試料>ESCAの励起源は軟X線なので、試料に対するダメージが少ないことが特徴です。金属等の導電体のほか、有機物やセラミックス、鉱物等の絶縁物も測定することができるため、半導体やエレクトロニクス分野、触媒分野でも広く使われています。