試験・調査報告


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-2-<3.材料ごとのFSW溶接性>3.1アルミニウム合金アルミニウム合金は、最初にFSWの対象となった金属であり、試験データも数多く紹介されている。アルミニウム合金は、他の金属に比べて全般的にFSW溶接性が良く、特にAl-Mg-Si合金である6000系合金は溶接施工条件範囲が広い。これは、6000系合金が押出性が良いということと関連し、温間での塑性変形抵抗が低いためである。また、Al-Mg系である5000系合金のFSW溶接施工条件範囲は、6000系合金についで広い。さらに、通常の溶融溶接が困難なAl-Cu合金である2000系合金もFSWで溶接可能である。これは、通常の溶融溶接のように凝固を伴わないためである。ところで、AC4CH等のAl-Si系アルミニウム合金鋳物は、一般に鋳物中のガス成分が多く、溶融溶接では、空孔欠陥が発生することが多い。これを防止するためには、母材の水素量を概ね10ppm以下にすることが要求されている。しかし、FSWは固相溶接であるのでこのような制限はなく、通常のアルミニウム鋳物でも溶接できる。同じ理由で、FSWであればアルミニウムダイカストも溶接可能であり、Al-Si-Cu系のADC12の溶接例が紹介されている。このように、ガス成分が通常の展伸材に比べて多いアルミニウム合金鋳物およびアルミニウム合金ダイカスト材が容易に溶接できるのがFSWの利点のひとつである。3.2銅および銅合金銅合金は、融点が約1000℃とアルミニウムに比べて高く、また熱伝道度が高いため、通常の溶融溶接は比較的困難な場合が多い。しかし、高温の強度は鋼材等より低く、FSW溶接性はかなり良いと言える。銅もFSW溶接の例が報告されており、スパッタリングターゲット材銅製バッキングプレートの冷却溝蓋の溶接に実用化された。3.3マグネシウム合金マグネシウム合金は比重がアルミニウム合金より小さく、実用金属中で最も軽い。このため自動車等の軽量化対策として適用が進められている。この合金は塑性加工における変形能が劣るため、圧延材は少なく押出材と鋳物材が多い。FSWとしては、代表的なAZ材(Mg-Al-Zn系)の溶接性が報告されており、AZ31(Mg-3%Al-1%Zn系)が溶接条件が広いとの報告がなされている。3.4鋼材およびステンレス鋼鋼材およびステンレス鋼のFSW種々の研究例があるものの、その実用例は現在のところあまり報告されていないようである。研究例としては、炭素鋼やステンレス鋼薄板の例がある。これらの材料はアルミニウム合金に比べて融点が高く、また高温強度が高いため実用化のためには、ツールの材質と形状に工夫が必要である。<4.応用例>4.1鉄道車両FSWの実用例として早くも1997年に700系新幹線車体の床材の溶接がある。これは、FSW溶接性が良い6000系アルミニウム押出材を並列に並べて突合せ溶接を行ったものである。また、地下鉄車両や私鉄車両の側板にこのFSW溶接が適用された。素材はいずれもアルミニウム合金である。


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