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-1-X線応力測定技術がいどVol.492009年7月号試験・調査報告1.はじめに><残留応力とは、外力が作用していない状態で材料や構造物の内部に存在する隠れた力(応力)のことであり、予想もしなかった破壊や変形の原因となることも多く、好ましいものではありません。そのため、構造物の設計において、溶接部周辺等大きな力が作用すると思われる箇所の残留応力を知ることは、極めて重要となります。この残留応力を測定する方法はいろいろとあり、大別すると破壊的方法と非破壊的方法に分類されます*1。破壊的方法では、取扱いの容易さからひずみゲージ法(切断法)がよく使用されています。ひずみゲージを貼り付けた部分をブロック状(10mm角程度)に切断し、開放された応力を測定する方法です。非破壊的方法では、技術的に確立していることもあり、X線応力測定法が広く使われています。こちらはX線回折現象を利用して残留応力を測定する方法です。ひずみゲージ法は、ひずみゲージを貼り付けた部分全体に作用するマクロ的な応力測定を得意とし、X線応力測定は微小領域に作用するミクロ的な応力測定を得意とします。このように、残留応力の各測定方法にはそれぞれの特徴があり、目的に応じた手法を選択することが必要となっています。今回は、非破壊的方法の代表である「X線応力測定法」を紹介します。*1・破壊的方法…ひずみゲージ法の他に、表層除去法、中心除去法等がある。・非破壊的方法…X線応力測定法の他に、中性子回折法、放射光応力測定法等がある。<2.X線応力測定法>X線応力測定法は、X線回折を利用して結晶材料の表面近傍の応力を測定する方法で、日本材料学会X線材料強度部門委員会が発行しているX線応力測定法標準に詳しく述べられています。今回は、測定原理と特徴について紹介したいと思います。結晶材料の各結晶粒は、結晶構造を持っていますので、原子が周期的に規則正しく並んだ結晶格子で構成されています。その結晶粒に応力が作用すると、結晶格子面の間隔が変わります。X線応力測定は、この格子面間隔の変化を測定して応力を求めています。図1は、結晶材料の表面近傍で、水平方向に引張応力が働いた場合を示しています。格子面法線と材料表図1水平方向に引張残留応力が働いた材料表面