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-1-腐食試験(電気化学試験)技術がいどVol.502010年8月号試験・調査報告1.腐食試験の意義><金属が『錆びる』という現象は、日常生活の中でごく身近に起こることだと思います。最も代表的な例が鉄鋼構造物にいわゆる赤錆が発生する状況ですが、この『錆びる』ということを専門的には『腐食する』と言い、ある特定の環境と接することで金属が化学的に損傷している状態のことを指します。炭素鋼は勿論のこと、腐食しにくいとされているオーステナイト系ステンレス鋼やチタン等も、置かれた環境によっては容易に腐食しそのことが原因で破壊する場合もあるので、注意が必要です。対象となる金属が、その環境でどれほどの耐食性があるかを評価する試験のことを腐食試験と言い、その種類には浸漬試験、電気化学試験、塩水噴霧試験、高温腐食試験、大気暴露試験等があります。今回は、電気化学試験についてお話ししたいと思います。<2.金属の腐食と電気化学反応>では、電気化学試験とはどのようなものなのでしょうか。その前にまず腐食現象についてお話ししましょう。身近な腐食現象として、淡水中における鉄の腐食反応を図1に示します。反応式は、以下のとおりです。アノード反応:Fe→Fe2++2e-……(1)酸化反応カソード反応:1/2O2+H2O+2e-→2OH-……(2)還元反応全反応:Fe+1/2O2+H2O→Fe(OH)2……(3)酸化還元反応アノード反応とカソード反応は,常に対になって電子の受け渡しが行われますが、こういった電子の受け渡しを伴う反応を電気化学反応と言います。金属の腐食は、こういったミクロ的なアノード反応とカソード反応が表面に無数に形成されることで起こります。大気水FeO2酸素の溶解O2カソード反応1/2O2+H2O→-e2+2OH-2-eさびFe2+アノード反応Fe→Fe2+e2+-全体的な反応(アノード反応+カソード反応)Fe+Fe2+1/2O2+2OH-+H2O→→Fe(OH)2Fe2++2OH-2Fe(OH)2+H2O+1/2O2→2Fe(OH)3脱水反応Fe2O3・nH2O(赤さび)図1腐食反応の模式図