試験・調査報告


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3.視線計測溶接中はアーク長、開先の溶融状態、溶融池のスラグの動きなど多くのことに注意する必要があります。そのため、これまでも溶接時の視線は、感覚的には重要視していましたが、具体的に表現することが困難でした。その注意点を可視化するのに有効とされている技術として、視線計測があります。視線計測の特長としては、実際に溶接している本人の無意識の視線についても測定できることが挙げられます。動画1および2にマグ溶接の視線計測結果を示します。視線の位置は眼球の黒目中心および照射しているLED光の位置から導出しています(写真3)。マークは3種類あり、○:両目、+:左目、□:右目の見ている箇所となっています。動画1の溶接士は、あまり視線が動いていません。溶接後ヒアリングしたところ、次の最終層の溶接に向けて開先の残りを気にしていたとのことでした。一方、動画2では、ウィービングに応じて視線が動いているのが分かります。こちらの溶接士は、ビードが均一な形状になっているかを気にしていたため、凝固している状況を主にみていたとのことでした。このように、視線の動きや気にしている点が、溶接士によって異なることが分かります(図2)。凝固開先残り溶融池アーク図2溶接士の注意点(開先残り、凝固状況)4.最後に今回は溶接技能継承の取組みとして、「複数ビデオカメラによる溶接技能の見える化」および「視線計測」について紹介しました。実際の溶接指導の様子を動画3に示します。昨今は溶接士不足も課題になってきており、今後さらに溶接士の育成は重要となってくると思われます。このような取組み事例が技能継承の参考になれば幸いです。また、これらの撮影や計測は当社でも実施可能ですので、ご相談いただければと思います。動画1視線計測1動画2視線計測2黒目中心LED光眼球の撮影写真3視線計測方法溶融池アーク動画3溶接指導の様子〈参考文献〉1)https://www.aichi-sangyo.co.jp/index.html愛知産業株式会社のホームページより「溶接トレーニングシステムバーチャルウェルディング」2)https://www.shinkoen-m.jp/株式会社神鋼エンジニアリング&メンテナンスのホームページより「VR研修のための溶接VRトレーニングをスタートアップと共同開発」3)細谷ら:溶接学会全国大会概要、第106集(2020-4)、148-149〇:両目、+:左目、□:右目視線計測結果コベルコ溶接テクノ(株)技術調査部小橋泰三2021Winter20


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