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疲労材料が方向の変動する応力を繰返し受けることによしますと、SとNの間には図1に示すような関係があって生じる破壊を疲労(Fatigue)または疲労破壊り、これをS―N曲線と呼んでおります。鉄鋼材料などで(FatigueFracture)といいます。は、ある応力振幅以下では無限に繰返しても破壊しな疲労破壊の主な特徴は、延性材料であってもマクロい限界が存在します。この限界の応力振幅を疲労限度的には大きな塑性変形をともなわずに破壊するという(FatigueLimit)と呼び機械設計などに利用されてい点です。しかし、顕微鏡などでミクロ的に調べてみるます。と、局所的にはすべりや双晶などによって生じた変形疲労強度に影響する因子としては、材料の大きさや帯が存在し、そこで破壊が起こっていることが観察さ形状、応力の型式などといった力学的因子や硬さ、結れています。破面を電子顕微鏡で観察すると、写真1晶粒径などの金属学的因子があり、それらがからみ合に示すような縞模様がみられることがあります。これって作用するため完全な疲労対策はたてにくいわけではストライエーション(Striation)と呼ばれ、変動応力すが、これらの中でもとくに影響が強いといわれるもの1サイクルが1対の山・谷のストライエーションにのに切欠き効果、寸法効果、残留応力の効果などが挙相当するものと考えられております。このような破面げられています。図2に切欠きが疲労強度におよぼすは他の破壊様式では見られないもので、疲労破壊独特影響を調べた例を示します。の特徴と言えます。また、材料が繰返し受ける応力振溶接部は、母材部と組織を異にするために生じる材幅が静的破壊応力より低くても、あるいは弾性限以下質的切欠き、継手形状による外部切欠き、溶接欠陥にであっても破壊が生じる点も特徴の一つです。一定のよる内部切欠きおよび残留応力など疲労強度を低下さ応力振幅Sに対して、ある繰返し数Nの後に破壊するとせる要素を多く含んだ構成物といえます。割れ、ブロホール、アンダカット、スラグの巻込み、溶込み不良などの溶接欠陥を生じさせないことが疲労強度上まず肝要なことですが、健全な溶接部であっても止端部分をグラインダなどでなだらかにしてやることが疲労強度を上げるのに有効であることもよく知られた事実です。すみ肉溶接部については、疲労を考慮して止端部がなだらかになるような溶接棒も開発されております。要するに溶接部については、できるだけ切欠きをなくすことが重要なことと思われます。(1987年9月号)写真1SB42(現在ではSB410)材溶接部の疲労破面出典:(溶接学会溶接冶金研究委員会編「鉄鋼溶接部の破面写真集」より)129