知恵袋コーナー

石松
–鉄骨溶接ロボット–

神戸製鋼グループは直交座標軸型と多関節型の溶接ロボットを展開しており、直交座標軸型が小型可搬型の多層盛溶接ロボット「石松」、多関節型が「ARCMAN™」シリーズです。

多層盛溶接ロボット「石松」(以下「石松」という)は写真1に示すように大きさは重箱サイズ、重量は約6kg(IR-700MA)で厚板溶接に適した小型・軽量の可搬型溶接ロボットです。国内においては1,300台以上の納入実績があり、羽田空港再拡張工(2000年施工)などの大型プロジェクトにも採用されています。

写真1 「石松」ロボット IR-700MA IR-900MA IR-110MA
写真1 「石松」ロボット IR-700MA IR-900MA IR-110MA
【特 長】
1.小型・軽量の直交可搬型多層盛ロボットであり、厚板の溶接に適しています。また「石松」をレールと共に被溶接体の溶接部位に移動することで、高重量の被溶接体を動かす必要がありません。
2.フルオート機能を搭載し、溶接部位の長さ、開先深さ、ルートギャップ、開先角度の計測を対象ワークごとにタッチセンサーで自動計測し溶接条件(層数、パス数、溶接電流・電圧、溶接速度)を自動演算・生成します。この機能を活用すると一切の数値入力などの設定は不要です。また、溶接部位とレールとの位置情報も活用するので、レール設置の精度に神経質になることもありません。この他に、セミオート機能および手動機能も有しておりさまざまな用途に利用可能です。
3.トーチスイング機能を有し、被溶接体の両端の溶接残しはありません。
4.下向溶接、横向溶接、立向溶接、上向溶接、すみ肉溶接の溶接ソフトを保有し、お客様の要望に応じたさまざまな姿勢での溶接が可能です。下向溶接においてはレ形T継手/平継手・V形開先、横向溶接においてはレ形開先T継手/平継手、立向溶接においてはレ形T継手/平継手・V形開先、すみ肉溶接においては水平すみ肉に適用できます。
5.溶接姿勢、開先の種類によって若干の違いはありますが、溶接対象の板厚によって、板厚60mmまではIR-700MA、板厚80mmまではIR-900MA、板厚100mmまではIR-110MAと3種類の石松を提供し、お客様の要望にお答えしています。


【得意とする溶接施工/上手な活用】
1.溶接技量を持たない作業者に「石松」を使用させることで、溶接技量保有者と同等あるいはそれ以上の高品質を確保できます。また、溶接経験の浅い方に使用していただくことでも、大きなメリットに繋がっています。
2.複数台(2~4台)を1人で操作することで生産性を向上させます。使用方法としては、1台目をセッティングし溶接開始後、2台目以後を随時稼動させます。すべて稼動している時はすでに溶接が完了したワークのスパッタ処理や、次のワークの準備作業など溶接以外の業務ができます。


コベルコROBOTiX(株) 第二事業部 
戸田 忍

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