>> P.96
レスキュー隊119番レスキュー隊119番ます。(写真6)2-1-3球状黒鉛鋳鉄球状黒鉛鋳鉄は、溶銑にマグネシウムなどを添加して、凝固時に析出する黒鉛を球状化(写真7)させたものです。一般にダクタイル鋳鉄とも呼ばれています。球状黒鉛鋳鉄は、引張強さ、伸びともにねずみ鋳鉄に比べて大きく、引張強さだけからみると圧延鋼板にも匹敵するものが得られており、圧延ロール、クランク軸、機械部品などに広く使用されています。2-2鋳鉄の溶接一般に鋳鉄を使用する構造物・部品は、溶接を前提として作られることはほとんどなく、溶接は鋳造欠陥や、使用中の破損や磨耗などの補修に限定されます。鋳鉄の溶接は鋼に比較して割れなどの欠陥が発生しやすい傾向にあります。その理由として、1)鋳鉄を溶融状態から急冷すると白銑化し、この白銑が硬くて脆い上に鋳鉄素地と熱膨張係数が著しく異なり、溶接による加熱、凝固、収縮の際に大きな残留応力が生じ、延性が劣るところから割れが生じやすい。2)COガスが発生するため溶接金属中にブローホールが発生しやすい。3)鋳鉄自身の延性不足、および鋳造時、残留応力のため溶接部以外にも割れが生じやすい。4)長時間加熱により黒鉛が粗大化したものや、鋳造欠陥としての巣や砂かみの存在があるもの、機械部品などとして使用中に組織黒鉛部への油の侵入などがあるものでは、母材のなじみが悪く溶着不良が起こりやすい。以上のように鋳鉄の溶接は圧延鋼板に比べて劣るものの、適切な溶接方法および溶接材料を選択することにより、割れなどの欠陥がない溶接が可能となります。2-2-1鋳鉄の溶接棒の選び方鋳鉄用の被覆アーク溶接棒の選び方を表4に示します。尚、溶接作業の要点は、神鋼溶接総合カタログ(http://www.kobelco.co.jp/welding/catalog/index.html)を参照下さい。最後に、鋳鉄と鋳鋼の簡単な見分け方を紹介いたします。ディスクグラインダーを掛けた時に火花の飛び散り方に大きな違いがあります。(右ページ動画参照)鋳鋼は比較的軟らかいため、オレンジ色の火花で削り粉も大きく削り量も多いのに対し、鋳鉄は硬いため、色が薄く削り粉も小さく、飛散する量も半減以下になります。以上、鋳鋼と鋳鉄について説明しました。鋳物の溶接は、まず施工前に鋳鋼なのか鋳鉄なのかを確認することが重要になります。㈱神戸製鋼所溶接事業部門営業部カスタマーサポートセンター金子保写真5ねずみ鋳鉄写真6黒心可鍛鋳鉄写真7球状黒鉛鋳鉄表4各種鋳鉄に対する溶接棒の選び方鋳鉄の種類普通鋳鉄高級鋳鉄可鍛鋳鉄球状黒鉛鋳鉄銘柄CI-A1CI-A2CI-A3CI-A1CI-A2CI-A3CI-A1CI-A2CI-A3CI-A1CI-A2CI-A3予熱温度(℃)100~300150~350350~400100~300150~350350~400100~300150~350350~400100~300150~350350~400母材とのなじみ○◎◎○◎◎○◎◎○◎◎*注)◎優れている○やや優れている△劣っている4母材との色調△△◎△△◎△△◎△△◎継ぎ手効率X線性能◎◎○◎◎◎○◎◎○◎◎○○○○○○○○○○○○溶接金属の機械加工性◎○△◎○△◎○△◎○△熱影響部の機械加工性◎○△◎○△◎○△◎○△