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ク溶接よりも長い突出し長さを推奨しています。ワイヤ突き出し長さが短すぎるとフラックスの分解が促進されないので、ピット・ブローホールなどの気孔欠陥の発生源となります。ワイヤ径に応じた、ワイヤ突き出し長さの調整・管理を実施して下さい。③溶接条件に関して溶接材料と各ワイヤ径の推奨溶接電流範囲を、表1に示します。溶接電圧の設定は各種ワイヤや設定電流値・溶接姿勢などによって異なりますので、適宜設定して下さい。太径ワイヤの場合は、電圧が低いとスティック(動画1・2参照)してワイヤが母材と短絡しますので、スティックが起こらない状態から2V程度上げた状態が良好な電圧の目安になりますので、ご参考にして下さい。④混用溶接に関してセルフシールドアーク溶接を本溶接に用いる場合、タック溶接や補修溶接に非低水素系(LB系以外)溶接棒を使用すると、気孔欠陥の発生やスラグはく離性が劣化する場合があります。欠陥発生防止の観点から、必ず低水素系(LB系)溶接棒を使用して下さい。⑤換気に関してセルフシールドアーク溶接は、その他の溶接と比較しヒューム発生量が多いので、室内で溶接作業を行う時は、換気を充分行って下さい。特に狭隘な場所での溶接作業では、扇風機等で強制的に風を送り換気を行うよう心掛けて下さい。ただし、風速が10m/秒以上になりますと、気孔欠陥の発生原因となりますのでご注意下さい。⑥保管に関してセルフシールドアーク溶接ワイヤに限られた話ではありませんが、以下の事項にもご注意下さい。a)溶接材料の保管は雨や雪などが吹き込まない室内に保管して、直接床面に置かずパレット等の上に乗せ、壁に密着させずに風通しの良い環境下で保管する。b)開封後は再乾燥ができませんので、極力早期に使用する。c)開封後に長期間保管する場合は、錆び発生防止のため送給装置からワイヤを取り外し再包装して保管する。上記の注意事項を厳守し、保管・管理するようお願い致します。5.最後にセルフシールドアーク溶接は、使用するワイヤ径により専用の溶接機器が必要になるので、容易に採用する事は難しいとは思いますが、他の溶接方法と比較して種々のメリットもあります。作業内容や作業場所・環境などによりご検討頂ければと思います。また昨年、亜鉛メッキ用のセルフシールドアーク溶接ワイヤが新たにラインナップされました。銘柄は、OW-1Zになりますのでご興味を持たれた方は、お気軽にご相談頂ければ幸甚です。神鋼溶接サービス(株)CS推進部CSグループ原彰一朗※文中の商標を下記のように短縮表記しております。動画1OW-56Aスティック状況表1各種溶材の推奨溶接電流範囲動画2OW-S50Hスティック状況品名ワイヤ径(mmφ)電流範囲(A)下向/横向き/水平すみ肉OW-56AOW-S50HOW-S50T2.43.21.62.02.41.2150〜350300〜450130〜350180〜360200〜40050〜250立向き上進130〜220――――50〜2002018Summer20