技術がいど2012-201501


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にかけることはなくとも、私たちの暮らす土地の風土や人々の生活様式、習慣に確かに裏打ちされている。だからこそ、共感を呼ぶのだ。「実は今後、服も作ってみたいなと思うんですよね。靴の上に身につけるものすべて、お客様にトータルで提案できたら面白いだろうなと思ったりします。いつ実現できるかは、まだわかりませんけど」吉靴房の靴は、今もこれからも力強く前へ進む。私たちが暮らす土地のうえに、脈々と紡がれていく歴史の線上を踏みしめて。【取材協力】吉靴房http://kikkabo.jp京都デザイン賞2010の入賞作品「御沓」。地下足袋×革ブーツの組み合わせが面白い、「五枚丈(足袋)」。神職などが儀式で履く「沓」をモチーフにしたデザイン。先割れのデザインは踏ん張りが効いて、とても履きやすい。履いた時の足元がすらりと美しく引き立つ、トラッドな表情の「厚口内羽根短靴」。端正な外見ながら、女性用のストラップミュール。手づくりならではの履き心地のよさがある。


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