技術がいど2012-201501


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MM430Nbについて宮田実(株)神戸製鋼所溶接事業部門技術センター溶接開発部1.はじめに高く、熱疲労特性で劣るため、エキゾーストマニホールド近年、自動車業界では、地球環境保護のため燃費改では主にフェライト系ステンレス鋼が使用されている。使善や、車体の長寿命化といったことに取り組んでいる。用されている鋼種はSUH409LやSUS430J1L等が使用さエンジンからの排ガスの高温化は燃費改善、排気ガスれていたが、近年の排出ガス規制により排出ガスの温の清浄化に直結するため、自動車排気系については、度が高温化する傾向にあるため、さらに高温特性に優900℃以上に達するような高温のガスが排出されるようれるSUS444等も使用されている。になってきている。それに伴い、自動車排気系部品には高い高温強度、耐高温酸化性、耐食性、熱疲労特性が2.2フレキシブルチューブ要求されるため、高温特性に優れたステンレス鋼が使フレキシブルチューブは排気系部品の高温側と低温用されている。使用される鋼材も日々進歩しており、溶側を結ぶ部品であり、2重構造の蛇腹形状となっている。接材料についても鋼板と同様に高い高温特性や耐食性蛇腹形状とするためには、高い加工性が要求されるたが要求されてきている。また、溶接部にはこれらの冶金め、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼が使用さ接ワイヤを開発したので、紹介させて頂く。コンバータはエキゾーストマニホールド直下や床下等に搭載されるため、高温環境や加振にさらされる。使用2.各部品での要求性能および使用鋼材鋼材としては低熱容量であるフェライト系ステンレス鋼まず、はじめに各自動車排気系部品での必要性能おが用いられており、近年は耐高温酸化性に優れるエンジンに直結するエキゾーストマニホールドはセンターパイプ、マフラーでは比較的排出ガスの温度900℃以上の高温のガスに繰り返しさらされるため、高が低くなり、高温特性に関する要求は厳しくなくなる反面、い高温強度、熱疲労特性が求められる。また、エンジン排ガス中の水蒸気結露による、凝縮液や、路面に散布さに酸化スケール等の異物が混入してしまうと、エンジンれている融雪剤の塩害に対する耐食性が要求される。の損傷へとつながるため、高い高温酸化性も要求されセンターパイプにはSUS410系やSUH409L、SUS430系る。オーステナイト系ステンレス鋼はフェライト系ステンが使用されている。また、マフラーにはSUS436Lが主にレス鋼に比べ、高温強度には優れるが、熱膨張係数が使用されている。2.4センターパイプ、マフラー.1エキゾーストマニホールド2よび使用鋼材について表1に整理する。1~2)SUS430J1Lが使用されている。的性能に加え、製品を安定して生産するために必要なれている。溶接作業性が求められる。今回、この溶接作業性を劇的に改善することができるフェライト系ステンレス鋼用溶2.3コンバータ部位エキゾーストマニホールドフレキシブルチューブコンバータマフラー表1各自動車排気系部品の要求性能および使用鋼材要求性能高温強度、高温酸化性、熱疲労特性耐食性、熱疲労特性、高温酸化性耐食性、高温酸化性、使用鋼種SUS430LX,SUS430J1L,SUH409L,SUS444SUS304,SUS305SUS410L,SUH409L,SUS430J1L耐食性SUS410L,SUH409L,SUS430J1L,SUS436L-1-技術レポート[vol.532013-9]低スパッタ・低ヒュームフェライト系ステンレス鋼用FCW


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