技術がいど2012-201501


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(株)神戸製鋼所溶接事業部門技術センター溶接開発部1.はじめにる「爆発移行」も自由移行として分類されている。また、溶滴アーク溶接に用いられる消耗電極の溶融と溶滴移行には、表面張力、重力、電磁ピンチ力、アーク反力、プラズは、溶接の作業性や能率、品質に直接影響する現象であマ気流による摩擦力、ガスの爆発力等が複雑に作用しておる。また、使用する溶接法、電流・電圧条件、極性、シーり、これらのバランスやアーク発生形態によって、溶滴やルドガス、溶材の種類や化学組成等、様々なプロセス因ワイヤ先端の形状が変化する。この形状の違いによって子によって、その形態が変化する現象であるため、アーク溶滴移行形態はさらに細かく分類されている。そして、実際溶接を取り扱う技術者であれば、これらプロセス因子と溶の溶接現場では、これらの溶滴移行が同時かつ並行的に滴移行現象の因果関係を整理しておくことが望ましい。発生することが多い。図1にGMA溶接の主な溶滴移行形態IIW(国際溶接学会)では、溶滴移行の形態を外観的な特をシールドガスと溶接電流域の観点から模式的に示す。徴をもとに表1のように分類している1)。まず、溶滴が溶融池このような複雑な溶滴移行現象のメカニズムを総合的へ入る道筋によって3種類に大別される。すなわち、ワイヤかつ詳細に理解するには、相当の経験と努力を要する端から離脱した溶滴がアークプラズマ内部もしくはその周ため、ここでは、その導入段階として最も基本的な溶滴辺のシールド雰囲気を通過して溶融池に移行する「自由移移行現象(表1の色付部)について、高速度カメラで撮影行」、ワイヤ端に形成された溶滴が溶融池と接触して移行した画像を交えながら、その特徴を概説する。また、そする「橋絡移行」、フラックスやスラグの中に発生したアーれぞれの移行形態について、これを制御しようとする溶ク中を移行する「スラグプロテクト移行」がある。また、特に接プロセスについても簡単に紹介する。自由移行については、溶滴のサイズによってもさらに細分化されており、溶滴がワイヤ径よりも大きい場合を「グロビュール移行」、ワイヤ径と同等以下の場合を「スプレー移2.グロビュール移行(1)ドロップ移行行」としている。これらとは別に被覆アーク溶接等において、[特徴]被覆材等から発生したガスが溶滴内部に蓄積され、これがドロップ移行は、ワイヤ径以上の溶滴がアーク柱内を爆発的に放出される過程に伴って溶滴が溶融池に移行す通過しながら溶融池へと向かう移行形態とされる。ドロッ技術レポート[vol.542014-1]アーク溶接の溶滴移行について袁倚旻表1IIWによる溶滴移行形態の分類溶接プロセス(例)溶滴移行形態1.自由移行1.1グロビュ-ル移行1.1.1ドロップ移行1.1.2リペルド移行1.2スプレー移行1.2.1プロジェクト移行1.2.2ストリーミング移行1.2.3ローテーティング移行1.3爆発移行2.橋絡移行2.1短絡移行2.2連続橋絡移行3.スラグプロテクト移行3.1壁面移行3.2その他のモード低電流GMACO2ガスアーク中電流GMA中電流GMA高電流GMASMA(被覆棒)ショートアークフィラーワイヤ添加時サブマージアークSMA,コアードワイヤ等-1-


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