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技術がいどVol.502010年11月号-2-ルチルとアナターゼは化学式で示せばいずれもTiO2ですが、物理的性質は異なります。一方、化学的性質は同じで、両者を酸、アルカリ等を利用して分離することはできません。すなわち、このような化学的手法ではルチルとアナターゼを区分して分析することができないため、X線回折試験による結晶相ごとの定量分析が必要になります。定量分析を行う場合、まず被検試料中に含有する結晶相を同定します。結晶相の含有量は、回折強度に比例するため、結晶相ごとに定量値を求めることが可能です。定量分析方法は、次の2つの方法に大別することができます。・検量線作成が必要な方法:純物質を標準試料として用いる方法・検量線作成が不要な方法:標準試料を用いない方法以下に、それぞれの方法について、代表的な分析法を紹介します。(検量線作成が必要な方法:純物質を標準試料として用いる方法)A.内部標準法まず、定量したい結晶(以下、被検成分と呼ぶ)の純物質、結晶構造が既知の希釈剤、吸収補正用の内部標準物質を用意します。被検成分の純物質と希釈剤について、混合比を変えた試料を複数作り、それらに内部標準物質を一定の割合で加えます。次に、純物質および内部標準物質それぞれについて回折強度を測定し、「純物質の回折強度を内部標準物質の回折強度で除した値」を「純物質の重量比(被検成分の純物質+希釈剤の量を100%とする)」に対してプロットし、検量線を作成します。検量線作成後は、被検試料に検量線作成時と同割合の内部標準物質を加えた試料を調製します。次に、被検成分の回折強度を測定し、内部標準物質の回折強度で除した値を求め、検量線から定量値を求めます。B.標準添加法被検成分の純物質を被検試料中に段階的に加え、それぞれ回折強度を測定します。次に、回折強度(Y軸)をそれぞれの添加量(X軸)に対してプロットし、検量線を作成します。この検量線のX切片が、被検試料中に含有する被検成分の定量値となります。この方法は、被検成分の含有量が低濃度(10%以下)の場合に良好な結果が得られます。C.直接定量法フィルタに採取した遊離けい酸の定量分析等で使用される方法です。ここでは、(社)日本作業環境測定協会発行の作業環境測定ガイドブック1「鉱物性粉じん・石綿」にも掲載されている基底標準吸収補正法について紹介します。まず、未使用のフィルタを基底標準板(Zn等)に乗せて、基底標準板の回折強度を測定します。次に、フィルタ上に1cm2あたり微量(0.2~1.2mg程度)の粉じんを何段階かの濃度で捕集して、基底標準板の上に乗せ、基底標準板および被検試料(粉じん)の回折強度を測定します(図2)。測定が終了したら、回折強度(Y軸)を、粉じん採取量(X軸)に対してプロットし、検量線を作成します。検量線範囲内であれば、実際採取した粉じん中の遊離けい酸の含有量を求めることができます。なお、当社は、(社)日本作業環境測定協会の総合精度管理事業による粉じん(遊離けい酸:X線法)のクロスチェックにも合格しており、分析実績も豊富です。X線X線フィルタIZn0亜鉛板図2基底標準吸収補正法IZnIm亜鉛板粉じん