試験・調査報告


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技術がいどVol.502010年11月号(検量線作成が不要な方法:標準試料を用いない方法)-3-X線回折法では、結晶ごとに含有量を求めることが可能ですが、3~5成分以上の混合物の場合、それぞれの回折線が重なってしまうことがあります。従来は、定量対象となる個々の結晶相の純物質を用意し、強度から検量線を作成して定量値を求めていました。しかし、他の結晶のピークが重なってしまうと、正確に定量することが難しくなります。そこで、多成分系試料でも正確に定量する方法として、新たにWPF法(全パターンフィッティング法)およびリートベルト解析法が最近提案されています。これらの分析方法は、前述A~Cの定量分析法と異なり、含有する結晶すべての定量分析値を求めることが可能です。D.WPF法(全パターンフィッティング法)WPF法は、結晶構造モデルを用いずに、全測定領域の回折パターンを最小二乗法により分解し、結晶ごとの含有量および格子定数の精密値を求める方法です。この方法では、各結晶の構造が分からない場合でも、データベースにあるRIR値(酸化アルミニウムとの回折線強度の比)さえあれば、定量値を求めることが可能であり、簡易的な方法となっています。E.リートベルト解析法リートベルト解析は、結晶構造が既知の相に対して行います。リートベルト解析法は、格子定数やプロファイルパラメータおよび結晶構造パラメータ(分率座標等)を最小二乗法で精密化する方法で、通常は単一物質の構造解析に用いられます。リートベルト解析法を用いた混合物の定量分析では、結晶構造パラメータを精密化しないことが一般的ですが、試料が配向している場合は、配向を考慮しながら含有している結晶の定量値を求めることが重要です。WPF法に比べて、多数のパラメータを用いて精密化しますので、正しいパラメータを入力していないと、偽りの値が出ますので注意が必要です。一例として、リートベルト解析法を用いて、アナターゼ型酸化チタン試薬中に含有するルチル(一般的にアナターゼ型試薬でもルチルを少量含有している)を定量分析した結果を示します(図3,4および表1)。詳細な解析手順は割愛しますが、表1に示したとおり、アナターゼ型酸化チタン試薬中には、ルチルが12.4%含有していることが分かります。また、定量画面(図4)を見てみますと、実際の測定データとリートベルト解析法での計算データの差(残差)が小さいため、定量分析は適切に行えたと考えられます。アナターゼルチル図3アナターゼ型試薬の定性分析結果


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