試験・調査報告


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タンク、建設物などの重要構造物において、このCTOD値の保証が必須となっています。試験片には図3に示す3点曲げ試験片以外にもコンパクト試験片が用いられます。試験片の厚さBは、原則として母材の板厚のままで試験を行います。機械加工にて切欠きを入れ、その後疲労試験機にて、疲労予き裂を導入します。溶接継手の場合には、溶接残留応力の影響で、そのままでは規格に適合した直線状の疲労予き裂が導入できないことが多くあります。そのため、溶接残留応力の緩和方法がいくつか規定されており、そのひとつがローカル・コンプレッションです。これは図4に示すように、板厚方向の試験片に対し局部的に圧縮をかけることで、残留応力を緩和する方法です。このとき、ひずみ量は0.5〜1.0%を導入することが推奨されています。試験では、構造物の使用環境(温度)において、試験片に荷重を加え予き裂に開口変位を生じさせます(図5)。開口変位が広がっていくと、不安定破壊が起こるため、その直前の開口変位をCTOD値として評価します。このCTOD値が大きい程ねばく、ぜい性破壊の起こりにくい材料です。LBW機械ノッチ疲労予き裂図3CTOD試験片5.おわりに今回、3つの破壊じん性試験について述べました。ポイントとしては、まず最も数多く行われているのは、シャルピー衝撃試験だということです。なぜなら、試験片形状が定型である、試験方法が簡便であるというメリットを活かし、研究データが膨大にあるからです。ただし、厚板の溶接部から試験片採取する際には板厚表面付近あるいは板厚中央など特定の箇所から採取するため、全板厚の溶接部のじん性をそのまま評価しているとはいえません。その点でCTOD試験は板厚のままの試験片を採取するため、溶接部のじん性を評価するのに適しています。デメリットとしては、き裂導入のむずかしさにあります。き裂は試験後の破面を観察・測定するため、場合によっては、規格を満たさず試験結果が無効となってしまうことがあります。また、どのような形態で破壊したかを判別する必要もあり、他の方法に比べ難易度が高く、膨大な時間がかかります。よって、この試験は船舶、タンクなどの重要構造物でのみ規定されています。じん性の評価方法は、ご紹介したもの以外にも多岐にわたります。さらに溶接部においては、評価が複雑になることもあり、じん性評価を行う際には弊社にご相談いただけましたら幸いです。<参考文献>1)溶接学会・日本溶接協会編:溶接・接合技術総論,産報出版2)金沢武,鋼材のぜい性破壊,高圧力第4巻第5号(1966)3)溶接学会,新版溶接・接合技術特論,産報出版神鋼溶接サービス㈱技術調査部齊藤直樹荷重荷重クリップゲージ荷重図4ローカル・コンプレッション図5CTOD試験2018Autumn24


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