試験・調査報告


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試験・調査報告●解説コーナーデジタルマイクロスコープを用いる溶接金属の観察・撮影1.はじめに神鋼溶接サービス株式会社では、溶接金属組織の観察を受託業務として行っております。フェライト、オーステナイト、マルテンサイトなどといった金属組織をエッチングによって可視化し、光学顕微鏡を用いて観察しております。その中には、ただ組織写真の撮影を行うだけではなく、組織の画像を解析することによって、その金属がもつ特性の定量化を行うメニューもございます。溶接金属の組織は「溶接金属」「熱影響部」「母材」といった非常に不連続的な組織形態を呈しています。また、溶接金属の中にも、溶融した金属が固まったままの状態の「原質部」や、固まった後にさらに熱を受けた「再熱部」など、組織の形状が違う箇所が見受けられます。これらの様々な部位の金属組織を観察するためには、まずはマクロ観察で全体の観察を行った後、観察が必要な位置をその都度拡大して観察する必要がございました。今回紹介する技術は、当社が導入いたしました連続撮影型デジタルマイクロスコープによる、溶接金属における大面積の連続観察・解析技術です。この装置は、普段金属組織の観察に使用する光学顕微鏡の進化版ともいえ2.事例①溶接金属の連続撮影今回紹介する方法は、デジタルマイクロスコープを用いてミクロ写真を連続的に合成し、大きな視野の組織写真を提供する方法です。イメージを図2に示します。赤枠の中で多数の高倍率の画像を撮影・連結することによって、1枚の画像でありながら、溶接金属、熱影響部、母材それぞれで拡大した後も鮮明な画像を見ることができます。る装置であり、何百枚もの顕微鏡撮影を自動化、観察時間を大幅に短縮し、より広範囲での撮影・解析結果をご提供できるようになりました。本報告では、溶接金属における大面積の連続観察・解析技術の事例を2例ご紹介いたします。図1デジタルマイクロスコープ撮影風景この連続撮影を行うことによって、広い視野の写真をお客様自身のパソコンの上でお好みの箇所を拡大し、あたかも光学顕微鏡観察を行っているような感覚で組織観察を行うことができます。従来は観察位置や倍率を細かくご指定頂く必要がございましたが、その必要もなくなり、効率的な金属組織観察が可能となります。自動撮影連結画像好きなところを拡大できます拡大①拡大①拡大②拡大②拡大③拡大③図2溶接金属の連続撮影および拡大後のイメージ熱影響部(粗粒部)熱影響部(細粒部)溶接金属3.事例②二相ステンレス鋼溶接部フェライト量のマッピング解析次に、数値解析をセットにした事例として、二相ステンレス鋼溶接部のフェライト量解析を紹介いたします。二相ステンレス鋼は耐食性が高く、近年幅広く利用されている鋼材です。その耐食性や低温靭性に影響する指標として「フェライト量」が用いられており、通常は約40〜50%の領域である必要があります。しかし、溶接部については、母材の希釈や温度履歴などの影響によって、フェライト量に偏りが生じてしまいます。132019Spring


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