試験・調査報告


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1.はじめに二相ステンレス鋼溶接部は、溶接時の加熱冷却過程でフェライト相とオーステナイト相のバランスが変化し、図11)および図22)に示すとおり、耐食性や機械性能に影響を及ぼすことが知られており、規格などでフェライト量の範囲が規定されています。フェライト量測定は、従来から幾つかの推定方法および測定方法が採用されており、大きくは①顕微鏡組織による方法、②組織図による方法、③磁気的な機器による方法にわけられます。以下に、それぞれの特徴について概説します。なお、フェライト量には、FNとフェライトパーセントの2種類の単位が用いられています。前者のFNは、フェライトナンバーと呼ばれ、永久磁石と試験片との間の磁性による吸引力をある標準値との対比によってフェライト量として規定するものです。単位にFNを用います。後者のフェライトパーセントは、金属組織中のフェライト量を百分率で表したものであり、単位に%を用います。以上のとおり、FNとフェライトパーセントは、その定義は異なり、必ずしも一致はしません。304050607080フェライト量(FNbyWRC1992)605040302010020vE-40℃(J)Fe-22Cr-Ni-3Mo-NWeld0.10-0.12N0.18-0.21N0.27-0.29N6%FeCl3+1/20NaCl溶液50℃,24h浸漬20406080フェライト量(%)1086420孔食度(g/m2h)図1溶接金属の耐孔食性に及ぼすフェライト量と窒素量の影響1)図2E2594タイプFCW溶着金属のフェライト量とシャルピー衝撃試験性能の関係2)試験・調査報告●解説コーナー二相ステンレス鋼のフェライト量測定2.顕微鏡組織による方法本法では、試験片を研磨およびエッチングし得られたミクロ組織を400〜500倍の観察倍率で光学顕微鏡観察し、組織全体に占めるフェライトの存在領域の面積比率からフェライト量を算出します。図3に示すとおり、観察視野内に格子線を引き、格子点の総数に対するフェライトに該当する格子点数の割合によってフェライト量が求められ、フェライトパーセントで表されます。この方法は点算法と呼ばれ、例えばASTME5623)などに規定されています。点算法は、従来から人の目で行われ、長時間を要するだけでなく、人的要因による偶然誤差を誘発するおそれがありました。そこで、当社では、二相ステンレス鋼のフェライト相を選択的に着色するエッチング法を採用し、連続撮影可能なデジタルマイクロスコープと画像解析法を組合せることで、迅速かつ高精度で広範囲のフェライト量測定を可能としました。『ぼうだより技術がいど』Vol.502の試験・調査報告コーナー(デジタルマイクロスコープを用いる溶接金属の観察・撮影)に、その詳細が述べられており、ご参照いただければ幸いです。152019Autumn100格子(10×10):フェライト=1点/格子×56格子=56点:フェライトとオーステナイトの境界=0.5点/格子×10格子=5点:オーステナイト=0点/格子×34格子=0点フェライト量:(56+5)/100×100=61%図3点算法によるフェライト量測定の一例


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