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WRC-1992組織図は、二相ステンレス鋼の範囲を含む高フェライト組織までを対象としています。WRC-1992組織図では、オーステナイト生成元素であるNをニッケル当量に加えられており、クロム当量からSiが、Ni当量からMnが削除され、Cuがニッケル当量に加えられています。近年、二相ステンレス鋼溶着金属のフェライト量の推定には、N量を考慮したWRC-1992組織図が広く用いられています。なお、フェライト量の単位には、Schaefflerの組織図ではフェライトパーセントが、WRC-1992組織図ではFNが、DeLongの組織図ではその両方が採用されています。FN3.組織図による方法本法では、溶接金属の化学分析値からニッケル当量(Nieq:ニッケルと同等の効果を表すオーステナイト生成元素の指数)およびクロム当量(Creq:クロムと同等の効果を表すフェライト生成元素の指数)を計算し、その値を組織図に当てはめてフェライト量を推定します。様々な組織図が提案されていますが、例えばJISZ31194)には、Schaefflerの組織図、DeLongの組織図およびWRC(WeldingResearchCouncil)-1992組織図が採用されています。一例として図4にWRC-1992組織図5)を示します。DeLongの組織図では、フェライト量が18FNまでを対象としているのに対し、Schaefflerの組織図およびAAFFAF1816141210Nieq=Ni+35C+20N+0.25Cu18202622Creq=Cr+Mo+0.7Nb242830図4WRC-1992組織図5)4.磁気的な機器による方法本法は、試験片のフェライト相は磁性を示すのに対し、オーステナイト相、炭化物、シグマ相および介在物は磁性を示さないことを利用しフェライト量を求めます。具体的には、被膜計法や磁気誘導法などが採用されています。被膜計法とは、装置に付属の永久磁石と試験片との間の磁性による吸引力がフェライト量に対応することを原理としています。厚さが既知の非磁性体が被膜された標準試料(炭素鋼)と永久磁石との吸引力をあらかじめ測定しておくことで、磁石と試験片との吸引力を非磁性被膜の厚さに換算でき、FNを求めることができます。磁気誘導法は、フェライト量によって磁気誘導が変化することを利用しています。試験装置に付属の測定用端子を試験片に当て、それに内蔵された励磁コイルに電流を通じると、フェライト量に応じて検知コイルに電圧が誘起されます。この電圧を計測して試験片中のフェライト量を測定します。試験時の様子は図5のとおりで、実施工現場などで広く用いられている方法です。校正用標準試験片試験片測定用端子図5磁気誘導法によるフェライト量測定の一例2019Autumn16