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試験・調査報告●解説コーナーEBSD法による結晶解析技術の活用例3-2EBSD法と他の結晶解析技術の比較EBSD法の特長について、他の結晶解析技術と比較しながら述べます。結晶解析技術にはEBSD以外にもさまざまなものがありますが、解析の手法ごとに、得られる情報の違いや長所・短所があります(表1)。例えばX線回折法は、分析範囲の平均化された情報を解析するので、結晶の2次元的な分布情報は得られません。また、TEM電子回折では、分析範囲はごく局所であるため、広い範囲の情報を得ることは困難です。その中でEBSD法は、材料の特長を調査するうえで重要な、結晶構造や方位、相の情報を、ある程度広い領域で、どのように分布しているのかまで捉えることができます。これが、結晶解析にEBSD法を使用する利点です。もちろん、X線回折、TEM電子回折にも、ほかの解析技術にない利点があり、目的に応じた使い分けが重要です。4.EBSD法により取得できる情報EBSD法により取得できる情報のうち、結晶方位、大きさの解析と相の解析について、実際のマップを用いてご紹介します。①結晶方位、大きさ、分布図5は9Cr鋼母材を分析した結果です。図5の左はIQ(ImageQuality)マップといい、各測定点から得られた菊池パターンの鮮明度(強度や鋭さ)を示しており、明るくなるほど鮮明度が高く、反対に暗い個所は鮮明度が低いことを示します。そして、図5中央が結晶方位の違いを色の違いで示したマップです。色と方位の対応は、結晶方位マップの右下に示す3角形の図(逆極点スケールといいます)で示しています。表1EBSD法と他の結晶解析技術との比較手法EBSD分析範囲数μm2〜mm2X線回折数百μm2〜数十mm2TEM*電子回折数nm2〜数μm2得られる情報(代表的なもの)備考結晶方位の2次元分布結晶相の2次元分布ある程度広い領域の結晶情報の2次元分布を得ることができる分析領域内に存在する結晶の種類および相の同定歪み量転位密度個々の結晶の種類および相の同定分析領域が広いため、バルク時の平均的な情報を得るのに適している分析領域がごく狭小であるため、微細な試料や、局部測定に適している*透過型電子顕微鏡(TransmissionElectronMicroscope)IQマップ結晶方位マップ図59%Cr鋼のEBSD解析結果111001101結晶粒径別の面積占有率212022Winter