>> P.184
試験・調査報告●解説コーナーレーザ溶接について1.はじめにレーザ(LASER)とは、「LightAmplificationbyStimulatedEmissionofRadiation」の頭文字からできた言葉で、人工的に増幅させた特定の波長の光のことです。レーザは自然光とは異なり特定の波長から構成されているため、集光性、指向性に優れており、レンズで集光すると高エネルギー密度の熱源になります。このレーザを溶接に適用したものをレーザ溶接とよび、以下の特長を持ちます。①高速での溶接が可能②低入熱のため、熱影響部が少ない③大気中での溶接が可能④非接触での溶接が可能また、レーザ溶接は、従来の接合法と比べてランニングコストの削減、自動化も容易なため、自動車や電池ケースなどの薄板の溶接継手を中心に、あらゆる分野で使用されています。そこで、今回はレーザ溶接の特長についてご紹介させていただきます。光路レーザ加工ヘッド加工点レーザ光レーザ発振器溶接対象物図1レーザ溶接機2.レーザ溶接装置および特長レーザ溶接機の代表的な構成を図1に示します。レーザ溶接機は主にレーザ発振器、光路、レーザ加工ヘッドから構成されています。発振器から出たレーザ光は、光路(ミラーやファイバー)を通じてレーザ加工ヘッドに導かれ、レーザ加工ヘッド内の集光レンズにより数ミリ以下に集光することでレーザ溶接として機能します。通常、レーザ加工ヘッドを3軸または6軸のロボットに取り付けた状態で使用しますが、近年ではレーザ加工ヘッドを手動で操作する方法も広まりつつあります。レーザ溶接の発振器は、レーザの発振方法により複数の種類に分類され、それぞれ特長が異なります。代表的なレーザ発振器の特長1)2)を表1に示します。発振器の種類によって、波長、最大出力など異なりますので、表1レーザ特長種類CO2レーザYAGレーザ半導体レーザレーザ物質CO2-N2-He(気体)Nd3+:Y3Al5O12(固体)Al(In)GaAs,InGaAsPなど(固体)波長(µm)10.61.0640.8〜0.98特長・ガスを媒質にレーザを発生させる・高出力化が容易・光路に光ファイバーを使用できない・発振効率が悪い・光路に光ファイバーを使用できる・レーザ物質を変更することでさまざまな波長の光を発生させることが可能・発振効率が良い・光路に光ファイバーを使用できるグリーンレーザ―0.532・第2高調波を使用している・アルミや銅などの非鉄でもレーザ吸収率が高い・光路に光ファイバーを使用できるディスクレーザYb3+:Y3Al5O12など(固体)ファイバーレーザYb3+:SiO2など(固体)1.031.05,1.09192022Summer・レーザ物質形状をディスク型に変更し、発振効率を向上させたレーザ発振器・発振効率が良い・光路に光ファイバーを使用できる・発振器自体がファイバーで構成されており、光軸調整などのメンテナンスが不要・発振効率が良い・光路に光ファイバーを使用できる