新人営業マンのための溶接基礎講座


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「各種鋼材とその溶接材料について」によっても変化します。通常、大入熱溶接や連続溶接は軟らかくなる方向に、低入熱溶接や冷却しながらの溶接では硬くなる方向に変化しますので、溶接条件、熱管理が重要です。.溶接上の注意点について-.予熱について焼入れ硬化性の高い鋼材の熱影響部の割れやビード割れを防ぐ目的で予熱は必ず実施して下さい。特に母材熱影響部の割れは、後になって割れが部材の深部まで伝播し、破断して大きな事故に繋がる恐れがあるので注意が必要です。但し、高マンガン鋼(オーステナイト系)の場合は予熱不要です。予熱による温度上昇で脆くなり、割れやすくなるので、むしろ水冷溶接をお奨めします。表に鋼材の炭素当量と推奨予熱温度を示します。-.下盛り溶接について予熱と同様、焼入れ硬化性の高い鋼材での母材熱影響部の割れ防止のために行います。又、割れた肉盛金属の剥離防止や、ビードの割れが母材に伝播する危険性を防止(クッション的役割)する効果もあります。-.歪や残留応力について溶接すると必ず歪や残留応力が発生します。歪は特に製品寸法精度に影響するので、極力押さえたいものです。歪軽減としてイ)溶接量を少なくする。ハ)対称・逆歪・飛石・拘束法といった防止方法ロ)ピーニング法をとるなどがあります。ただし拘束法は残留応力が大きくなり、割れやすくなるので注意が必要です。-.母材表面の汚れ・水分・油等の除去何れも溶接で水素発生の源となり、遅れ割れを誘発しやすいので、必ず除去して下さい。又、溶接棒の吸湿も水素発生源となりますので、所定の温度で再乾燥を行って下さい。.おわりに以上、表面硬化肉盛溶接の溶材選定や溶接上の注意点等について簡単に説明してきました。表面硬化肉盛溶接は、施工要領や部材、溶材の特性を十分理解して行う必要があります。ご不明な点がありましたら、お気軽に弊社営業室、またはカスタマーサポートセンターまでお問い合わせ下さる様お願い致します。(!神戸製鋼所溶接カンパニーサポートセンター関西北陸地区担当)営業部カスタマー竹間民人年月号(冬号)|10とは限りません。摩耗重視で、剥離さえしなければ少々の割れはやむをえないという考えです。硬度の高いマルテンサイト系のHFKや高クロム鉄系、タングステン炭化物系はよく割れます。従って、多層盛りは出来ません。また剥離防止のため、軟らかい金属で下盛り溶接を行います。写真は多層盛りが出来ないタングステン炭化物系で最終層を筋盛りや格子盛り状態に仕上げた一例です。一方、圧延ロールや金型は溶接部が割れては困るので、硬度が比較的低い材料で肉盛します。このように、割れに対しては広い視野で検討する事が必要です。尚、溶接金属の割れは、おおよそHv(*)を超えると発生しやすくなります。-.溶接後に機械加工を行う場合多くの圧延用ロールは、肉盛溶接後に旋盤加工を行い、後熱処理で硬度調整をすることが多いようですが、Hv以上になると機械加工が困難になるので考慮する必要があります。-.肉盛層数や熱のかけ方で硬さが変化する例えばHFを軟鋼の上に一層肉盛した場合、表面硬度はHv〜位になります。これは母材の希釈を受けて軟らかくなるためです。HFの場合は、軟鋼の上に層肉盛溶接して所定の硬度になるよう設計されているためです。又、熱のかけ方(*)Hvはビッカース硬さのことで、Hvはビッカース硬さがという意味です。写真筋盛りと格子盛り(例.HF使用)鋼種炭素当量(%)予熱温度(℃)≦≧≧≧≧≧≧≧なし≦.≦.≦.≦.≦.≦.≧.高マ合ン金ガ鋼ン鋼炭素鋼・低合金鋼高炭素当量=C+/Mn+/Si+/Cr+/Mo+/Ni表鋼材の炭素当量と推奨予熱温度


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