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アーク温度最近、アーク温度という言葉がしばしば使用されています。●アーク温度例えば、溶接アークから出る光が肉眼に及ぼす影響について調物理学的にいうと、気体粒子は高速度に運動していて、そのべるとき、アーク光の強度がアーク温度によるため、それに着速度(C)は温度(T)と一定の関係があるとされています〔単目されます。また、最近労働衛生面より注目を集めているヒュ原子気体の場合には、1/2mC2=3/2kT(m:質量、k:ボルツマームの研究では、その発生量を低減させる目的で、アーク温度ン定数)で表されます〕。言い換えるならば、温度は、気体粒子に関した実験が行われています。そこで、ここではアーク温度の運動エネルギーを集団的に観察したものであるといえます。について簡単に説明します。●アークとは何かゆえに、『アーク温度とは、アークを構成する中性粒子(分子または原子)、陽イオンおよび電子の運動エネルギーを意味していまず、アーク温度に触れるまえに、「アークとは何か」についます。』アークの場合、電界により電子および陽イオンが加速さて考えてみます。例えば、2本のタングステン電極の間に電圧れ、それらが中性粒子と激しく衝突しているので、アーク全体をかけて、電極を一度接触させた後引離すと、この間に電弧(アの運動エネルギーは、一般の気体よりかなり大きくなっていまーク)が発生します。この電弧は高温のため低比重になっておす。ですから、アークは高温となっており、それを利用して溶り、その浮力のために上方に浮かび上がろうとします。従って接が可能になるわけです。水平電極間に点ぜられたアークでは、電極間に弧を描きます。ここで、問題となるのは、中性粒子、陽イオンおよび電子の運アークという語はここに由来しています。動エネルギーすなわち温度に差があるかどうかということでこのアークの成分は、酸素、窒素などの周囲ガス分子(ほとす。一般的に考えますと、電子は電源からの電気的エネルギーをんどは、アークが高温であるため、原子状に解離しています)受けて、最初に加速されて運動エネルギーに変換されるので、ですが、溶接アークの場合には、それらに鉄等の溶接材料を構この温度が最も高いと考えられます。しかし、大気中のアーク成している物質の原子(または分子)が加わります。そしてこでは粒子密度が大きいため、中性粒子、陽イオンおよび電子の衝れらの成分はアーク柱においては電気の良導体ではないのでア突は互いに盛んで、これらの運動エネルギーはほぼ同じになっークが発生して電流が流れるためには、気体粒子(分子またはており、そのエネルギーに比較して電子が電界から得るエネル原子)の一部は、陽イオンと電子とに電離されているはずです。ギーが小さいこともあって、これら三者間の温度は等しいと考そして、電極間にかかる電圧のため、陽イオンは陰極の方へ電えられています。すなわち『大気中のアークでは、中性粒子、陽イ子は陽極の方へ移動して電流を形成するわけです。ですから『アオンおよび電子の間で熱的平衡状態が成り立っているわけでークは電極材料等に含有されている物質の中性粒子(分子またす。』は原子)、陽イオンおよび電子で構成されているということにな●アーク温度の測定例ります。』アーク温度は、表1に示すように種々の方法で測定されておなお、アークが光ってみえるのは、分子(または原子、陽イり、5000〜30000Kであるといわれています。そして、分光学的手オン)中の電子のエネルギー状態がアークの高温により変化す法を採用してTIGアーク(W―水冷Cu)の温度を測定した結果るとき、そのエネルギーの変化量に対応して発生する種々の波を図1に示します(神鋼測定)。このグラフに示すように、TIGア長をもった線スペクトルの発光によっています。この他、電子ークの温度は約15000Kで、それは電流に比例してまた電圧に反が陽イオンと再結合するときに発生する連続スペクトルもあり比例して増減しますが、アルゴン流量の影響をあまり受けませますが、その量は大気中のアークの場合には少ないと考えられん。また被覆アーク溶接棒のアーク温度については、従来Suitsています。が、アーク中の音波の伝ぱ速度の測定により、約6000Kであると表1アーク柱の中心部の温度測定者条件測定法温度()K.OrnsteinEngelJohnsonSuitsSteenbeckTawde.LarenzBusz.Finkelnburg1931193119321935大気中炭大気中冷水大気中冷各素銅タングステン銅種素19511954水蒸気アルゴンWCu-13〜122〜9264〜500500AmpAmpAmpAmp――AmpAmpNのCX線ドプレル音帯吸収効果速6,5005,0004,9004,1004,050±±〜±〜3004006,3003006,440スペクトル分布同上34,00030,000報告しています。また、被覆アーク溶接棒のアーク温度測定により蛍石および有機物の増加はアーク温度を上げ、石灰石の増加はアーク温度を下げるという結果を得ています。まとめると、溶接アークの温度は約5000〜30000Kで、それは溶接条件および溶接材料の変化に応じて変わるということができます。』(1979年3月号)1