用語解説


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ウエルドディケイご承知のように、ステンレス鋼(不銹鋼)という呼あげる、溶接速度を下げる)を採用したり、あるいは、という性質からきていま多層溶接のように、繰返し母材を加熱したりしますと、いくにび称は鉄鋼に比べてさす。これは、鉄鋼に約12%以上のCrを含みますと、鋼上記の温度範囲に加熱される時間が増加し、その結果、表面に不働態と呼ばれる極めて安定な酸化皮膜を形成ウエルドディケイの発生が助長されやすくなります。するためです。このような溶接熱影響部は、施工中に生ずる引張残留ところで、このような性質をもつステンレス鋼にも応力と他の環境因子(例えばBWR形原子炉配管中の高弱点があります。例えば、ステンレス鋼の中でオース温高圧水の溶存酸素や化学プラント熱交換器の冷却水テナイト系ステンレス鋼(例えば、304系:18%Cr―8%中の塩素イオン)の作用により、応力腐食割れの発生Ni)は、約500〜800℃に加熱したり、この温度範囲を原因となります。徐冷したりしますと、図1に示すように結晶粒界にCrしたがって、この割れ発生の恐れが懸念される場合炭化物が析出してその近傍のCr量が減少し、腐食環境は下記の対策を考えておくことが必要です。にさらされますと、図2のように結晶粒界のCr量が減溶接後、熱処理が可能な機器は、溶接終了後1,000少した部分が選択的に腐食され、粒界腐食と呼ばれる〜1,050℃で溶体化処理を行う。現象を生じます。SUS304L、SUS316Lなどの極低炭素鋼、または、SUSオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、304系)溶347(Nb含有)SUS321(Ti含有)などの安定化鋼を接熱影響部中には、前記と同じような熱サイクルをう使用する。ける部分がありますから、その部分(図3)には粒界前者はCr炭化物の生成の原因となるC量をおさえるにCr炭化物が析出します。ために用い、後者は、CrよりCと化合物をつくり易いウエルドディケイとは、このような熱サイクルをう元素(TiあるいはNb)を含有させているため、いずけた結果、粒界が腐食されやすくなり、使用中にこのれも溶接熱影響部中のCr炭化物の生成を防止しま部分がみぞ状に腐食されていく腐食形態をいいます。す。溶接入熱が大きくなるような溶接条件(溶接電流を溶接入熱を小さくし、また、水冷しながら溶接するなどの処置により、冷却速度を速くする。Cr炭化物析出部を小入熱のティグ溶接などで再溶接する。参考文献吉武、中村共著:溶接全書12ステンレス鋼の溶接、産報出版応和、田中(治)共著:<溶接の実際シリーズ>1、ステンレス鋼溶接の実際、産報出版(1985年11月号)17


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