用語解説


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耐火鋼耐火鋼はFR(FireResistant)鋼とも呼ばれ、このような理由と背景によって開発された耐火その名前が示すように火(火災)に対して強い建鋼は、MoやNbなどの合金成分を添加することで築構造用の鋼材です。高温強度を確保しています。一般の鋼材は、常温では優れた強度を有してい図1は、490N/㎜2級耐火鋼における高温時のますので、板厚10㎜程度の薄い鋼板でも人間の手耐力変化を、従来鋼(JISG3106SM490)と比で折り曲げようとすれば無理があります。しかし、高温になれば非常に軟らかくなるという特徴があ較して示したものです。従来鋼の耐力が、350℃で常温の規格値のまで低下するのに対して、耐るため、極厚板でも飴細工のように簡単に変形さ火鋼の耐力は、600℃までこの値を保証するようせることもできます。に規制されています。そのため、耐火被覆剤の大高層ビルなどの鉄骨建築物で火災が発生し、鋼幅な削減や鋼材温度が600℃を超えないような箇材が高温に晒されますと強度は著しく低下し、ビ所では無被覆化も可能となりました。ル倒壊などの危険性が高まります。なお、当然のことながら溶接金属にも同等の性従って、従来の建築基準法では、鋼材温度が能が要求されるため、母材希釈率や適用入熱量を350℃を超えないように鉄骨をロックウールなども考慮して専用の溶接材料が開発・実用化されての耐火材で被覆・保護することが義務付けられています。いました。しかしながら、耐火被覆を行うことは、一度火災が発生すれば、建築物の骨組みは残っ材料費のコストアップにつながるだけでなく、工ても、他の大部分は消失してしまいます。耐火鋼期短縮・室内空間の有効利用・作業環境の改善とその溶接材料の優れた特性を実証することがな(材料の飛散防止)を阻害する一因でもありましいよう、「防火」をお互いに十分心掛けていきたた。いものです。いっぽう、1987年には建設省総合技術開発プロジェクトによって「新防火設計法」が開発され、優れた高温耐力を有する鋼材を使用すれば、耐火被覆の省略が可能となりました。(1999年9月号)217(N/mm2)SM490A・FRSM490ART100200300400500600700温度(℃)図1鋼材耐力に及ぼす温度の影響500450400350300250200150100500耐力(N/mm2)250


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