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焼入れ・焼もどし・焼なまし溶接部、母材とも鉄鋼材料の最も大きな特徴の一つは、あります。この現象は、これなどの合金成分のある種の炭熱処理によってきわめて広範囲にその元の性質を変えるこ化物が析出するためで、このことを別に“Drawing”と呼ぶとができることです。場合があります。これは人間の場合、美しくなりたい人には美容体操を、人間を鍛える場合、よく「焼きを入れてやる」といいま腕に力をつけたい人にはバーベルを使用するとか、あるいすが、焼き入ればかりでなく、このように焼もどしも同時はもっと持久力をつけたい人にはマラソンを、というようにし、粘り強い人間にしてあげた方が親切というものです。に目的に応じて行う運動が違ってくるのと似ています。3.焼なまし(Annealing)熱処理方法としては、その目的に応じて非常に種々の方材料をある温度に加熱後、室温まで冷却する熱処理方法法がありますが、ここではその中の代表格である「焼入れ」、のことをいいます。焼なましの主な目的としては、「焼もどし」、焼なまし」の三つの方法について解説します。①内部応力の除去(加工によって生じた歪などの除去)1.焼入れ(QuenchingHardening)②軟化鉄鋼材料をオーステナイトの状態に加熱、保持した後、③結晶粒微細化水や油などに入れて急冷する熱処理方法のことを「焼入れ」④材料中に含まれるガスの除去といいます。焼入れの際の保持温度としては、A3変態点以などでありますが、これらの目的別に方法としては二種上30〜50℃ぐらいが普通で、C量0.85%以上の過共析鋼で類に大別されます。一つは「完全焼なまし」と称されるもは、A1変態点以上50℃ぐらいに保持するのが普通です。ので、材料をいったんオーステナイト化した後、炉中冷却焼入れの目的は、その材料を硬くすることですが、これなどきわめて徐々に冷却する方法で、これは上述の①②③はオーステナイト状態からの急冷によって、組織がマルテを主目的とするものです。ンサイト化するためです。もう一つは「中間焼なまし」と称せられ、材料をA1点近焼入れすることによって硬くなる度合は、ほとんどそのくまで加熱後冷却させる方法で、この目的は①および②で材料のC量によって左右され、一般にはC量が高くなればなす。普通、加熱温度は550〜650℃の間です。るほど硬くなっていきますが、0.6%以上ではそれ以上増加以上、各種熱処理法のうち「焼入れ」、「焼もどし」、「焼しても、あまり硬くはなりません。Cの効果ほどではありまなまし」について解説しましたが、このように種々の熱処せんが、焼入れする際にMn,Al,Si,Niなどの合金成分を適当量含有させると焼きが入りやすくなります。理によって、本来持っている性質を変えることができる点で、鋼は一種の「生きもの」であるといえるでしょう。はがね2.焼もどし(Tempering)この「生きもの」をその使用目的に応じて使い分けるの焼入れ状態のままでは、材料は硬くはなっていますが、が、各種熱処理法の本来持っている役目なのです。反面非常にもろく、組織的にも安定した組織とはなっていません。このため、その材料に靱性を与えて粘くし、実用に供するようにする目的で行われるのが「焼もどし」です。これは、いったん焼入れた材料をA1変態点以下の温度にまで再加熱し、焼入れによる不安定状態を安定な組織の状態にします。焼もどし処理としては一般に200℃前後の低温で焼もどす低温焼もどしと、500〜600℃程度の温度で行う高温焼もどし処理の二種類に大別されます。前者は硬さや耐摩耗性を必要とする工具用材料に行われる方法で、この焼もどし処理により炭化物、窒化物の一部を微細析出させ硬さの安定化を計ります。後者は一般的に用いられる方法で、通常焼もどしといえば、この処理のことをいいます。この処理により、焼入れによって生じたマルテンサイトを分解し、フエライト地に炭化物が球状に細かく分解した形にし、硬さとともに靱性を向上させます。いっぽう、W,V,Moのような炭化物形成力の強い元素を添加させると、この600℃付近の加熱で逆に硬くなることが(1982年5月号)149