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AE最近、脚光をあびだした新しい非破壊試験方法としが、AE法では材料に外力を加え、傷から発生する超音て、アコースティック・エミッション(AcousticEmission,以波を受信するだけです。多数の変換子(超音波を受信下AEと略記)法があります。このAE法とはどのようし電気信号に変える素子)を配置しておけば、超音波なもので、従来の非破壊試験方法とはどこが異なっての伝わる時間差から音源、すなわち傷の位置を知るこいるのでしょうか。AEとは……?ともできます。ここで溶接構造物である圧力容器の非破壊検査を考AcousticEmissionを直訳すると音響放出という意えてみましょう。UTを含め従来の方法では、容器全体味になります。を対象に、すでに発生した傷を検出するのに対して、ガラスや木材などの固体材料がこわれるときに音がAE法の場合、容器に変換子を多数取付けて耐圧試験をします。これは私たちの耳で聞くことのできるAEの例行えば、傷がいつ、どこで発生したか、どのように成です。地震も地かくの破壊現象によるAEの例ですが、長していくかが検出されていきます。傷のよりくわし周波数が低いため、音ではなく振れとして感じることい形状、分布はその部分だけを従来の方法で検査すれができます。ばよいのです。AE法では、力のかからない部分にある固体材料に外力がかかり、弾性域をこえると塑性変成長しない傷は見落すことになりますが、これは破壊形が生じ、微細傷が発生し、弾性エネルギーが開放さにつながらないため、実用上問題にならないわけです。れて音波(弾性波)を放出する現象のことをAEといい従来の検査法がある一時期の“静の検査”に対して、ます。微細傷が成長して破壊にいたるまで音波の放出AE法は“動の検査”と言えるでしょう。は続きますから、この音波を計測するAE法は、材料内AEと溶接部の微細な傷の発生、成長を時々刻々とつかまえるこAE法は材料自身の変形、破壊の状態を研究するひととができるという特徴をもっています。つの手段として、また構造物の安全監視、検査に使用金属の場合、周囲の雑音(30Hzから15kHzの可聴音)されつつあります。溶接に関しては、遅れ割れの研究とAEを区別するため、一般に弾性波の中でも超音波手段に用いられ、割れの発生時期、挙動が調べられて(数10kHzから数MHz)を計測しています。います。溶接時のAEを計測して溶接の良し悪し、溶接AE法と超音波探傷法技量の判定を行うことも試みられています(図1)。溶従来の非破壊試験方法の中で、固体中の弾性波を利接アークやスラグ冷却時の剥離音とAE信号との区別用したものに超音波探傷試験法(以下UTと略記)があはつきにくいのですが、良い溶接ビードよりも、悪いります。UTでは材料中に超音波を送信し、内部の傷か溶接ビードのほうが雑音も含めたAE信号は多く発生らの反射波を受信することにより傷を探していますするので、良否の判定が可能です。AE法はその長所を生かして、圧力容器の耐圧試験の監視、構造物の試験溶接の研究など、すでに適用されている分野と、雑音との区別等でまだ適用されていない分野があります。新しい技術だけに、計測したAEのデータをどのように評価していくか、といった問題も残されています。しかし、今後これらの諸問題は解決され、動の検査”であるAE法は、溶接の分野はもちろん、多くの分野で使われていくことでしょう。(1979年6月号)0306090(S)0306090(S)172