用語解説


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MIC(MicrobiallyInfluencedCorrosion)―微生物による金属材料の腐食―タイトルをご覧になって「微生物」と「金属材入口が小さく内部が広い、独特の形態を有する料」の取合せを奇妙に思われたり、「微生物で金属Pit状食孔が生じやすい。材料が腐食されるの?」と疑問を感じた方もいらといったことが挙げられています。っしゃるかもしれません。金属工学と微生物の関MICを引き起こす微生物としては、鉄バクテリ係は、人と微生物の関係に似ており、有益に利用ア、イオン酸化バクテリアなど数種類が確認されされる微生物がある一方で、有害な微生物が存在ております。またこれらのバクテリアは土壌、海します。中泥、石油製品、切削潤滑油中に生存していると金属工学において微生物を利用した技術として言われています。は、有用金属の回収や鉱山排水の処理といったバ現在のところ腐食機構は明確になっておりませクテリア・リーチング技術が知られています。そんが、微生物が生成した酸、あるいは代謝反応にの反面、有害な影響として最近注目されているのより生成された代謝物による、アノード・カソーが、MIC(MicrobiallyInfluencedCorrosion)すド反応の促進などが深く関与しているものと考えなわち微生物の関与した腐食です。られています。従来、発電所の復水管において、自然海水中の参考文献微生物付着が腐食挙動に影響を及ぼす事例が知ら天谷尚、幸英昭:海水中におけるステンレス鋼の微生物れていましたが、最近では欧米を中心として、石腐食、溶接学会誌、第64巻(1995)第3号、pp146油化学、ガス工業、発電所などの広範な産業分野菊地靖志、松田福久:バクテリアによる材料の腐食、高においてMICによる被害が報告されています。温学会誌、第19巻(1993)第2号、pp49MICの特徴としては、箕浦潤、孫田裕美、白鳥寿一:鉄酸化細菌の鉱工業への河川水のようにあまり腐食が起こりにくい環境利用、鉄と鋼、第72巻(1986)第15号、pp34においても、激しい腐食が生じる。溶接金属や熱影響部、あるいは機械加工により切削キズの残った部位などに発生しやすい。腐食部の表面には、微生物の代謝反応により生成されたと考えられる、こぶ状の生成物が生じやすい。(1995年11月号)191


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