溶接110番・溶接レスキュー隊119番


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藤沢0466―20―3000溶接110番溶接番大阪06―6206―6400炭素鋼(SS―400)溶接部の腐食について3年前に重油専焼ボイラーを母材SS―400、溶接材料MG―50T/CO2の組合せにより製作しました。今回、水漏れが発生し内部を調査したところ、部分的に溶接ビードが大きく腐食しており、その部分から水が漏れていることが解りました。水漏れした付近の環境は、重油の燃焼ガスが通る部分で温度は200℃前後だと思われます。早期に修理の必要があるため、考えられる腐食の原因と対策についてご教示ください。(岩手県K製作所)一般的に、SS―400に対して溶に示すような比率で硫黄酸化物を選定する必要があるわけです。接材料MG―50T/CO2の組合せは(SO2)が発生し、その一部がSO3今回、溶接金属が選択的に腐食間違いではありません。しかし、となり(図2)、これが燃焼ガスした理由としては、鋼材と溶接金溶接材料の選定においては、溶接中の水蒸気(H2O)に反応して硫属では成分組成が多少異なってい構造物が使用される環境と耐用年酸蒸気となります。ることや、酸素量などが違うこと数などを考慮する必要がありま「重油燃焼時に生じる化学反応」が考えられます。さらに、金属組す。C+O2→CO2織の違いも影響しているかもしれ本来、この種のトラブルにおい2H+1/2O2→H2Oません。ては、水漏れ付近の溶接部を外観S+O2→SO2観察、マクロ、ミクロなどの断面SO2+1/2O2→SO3いずれにしましても、本ボイラーに用いられた溶接材料は硫酸観察、付着錆や部材、溶接金属のH2O+SO3→H2SO4(硫酸蒸気)露点腐食に対して何ら考慮されて分析など、時間をかけて調査する通常、この種の燃焼ガスを含んいません。そこで耐硫酸露点腐食ことが必要です。でいない場合の水蒸気の露点温度鋼用溶接材料や耐候性鋼用溶接材今回のケースが重油専焼ボイは40〜50℃ですが、硫酸蒸気が含料(Cr,Cuなどを含有成分とすラーの短期間の溶接ビードの集中まれると露点温度が、含有量に応るもの)を使用することによって的腐食という点から、考えられるじて110〜180℃に上昇し、容易に今回のような溶接ビードが選択的原因について推定します。結露するようになります(図3)。に腐食されることが防止できるも重油を燃料として用いる機器のこのように、S含有量の多い燃のと考えます。排煙設備などで、母材、溶接金属料を用いる重油専焼ボイラーなど従って、溶接補修を考えておらが腐食されるケースのほとんどがの燃焼-排気系装置では、金属表れるのであれば、上記溶接材料を硫酸露点腐食であり、今回のケー面温度が雰囲気ガスの露点温度以使用されることをお勧めします。スも同様の腐食と思われます。下になると、硫酸蒸気が金属表面これらの腐食の原因は、硫黄がに結露し、その金属を腐食させる含まれた重油が燃焼しますと図1点を十分考慮し、鋼材、溶接材料(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー営業部技術サービス室)蛸谷正敏S含有量(vol%)S含有量(vol%)SO3含有量(ppm)図1燃料中の硫黄含有量と燃焼ガス中のSO2含有率の関係図2燃料中の硫黄含有量とSO2→SO3転換率の関係図3燃焼ガスに含まれるSO3と露天の関係150.010.101.0101001,000(200℃)H2O・10%(150℃)(100℃)400380360340320300280260240220200180露点(°F)6420SO2+SO3―――――(%)SO3O2(%)02468123450123450.30.20.1SO2(%)00


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