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低水素系溶接棒によるアークスタート時の気孔欠陥と対策について低水素系溶接棒は、その機械的性質と信頼性の面から多ているため、比較的低い温度(200℃程度)でシールドガくの鋼種に使用されています。軟鋼、高張力鋼をはじめ、スが発生してしまいます。そのため乾燥温度は低目に設定中高炭素鋼、特殊鋼などにも幅広く使用されています。弊されています。一方、低水素系溶接棒は被覆剤として石灰社ではLB-○○等の呼称でご愛顧頂いています。低水素系石などの塩基性炭酸塩が主成分のため、シールドガスが発溶接棒の最大の特徴は溶接性の観点から溶接金属中の水素生する温度は約800℃と高いため乾燥温度を高く設定する量を極力低くしていることです。JISZ3211の中で低水素系溶接棒は溶接金属100gに対し水素量の上限が最大15mことができます。高温で乾燥できるので被覆剤中の水分を強制的に放出させることができます。結果として溶接金属以下と規定されています。中に混入する水素量(拡散性水素量)の低減を図ることが一方、低水素系溶接棒は溶接性とは相反して、作業性面できます。溶接金属の水素量は低水素系溶接棒の性能を定ではある程度の技量や知識がないと様々な溶接欠陥が発生めるうえで極めて重要であり、特に高張力鋼や特殊鋼などしてしまいます。中でも気孔欠陥の発生は、その最たるもの溶接割れ防止の観点から使用前の乾燥は大変重要となりので特に注意する必要があります。そこで今回は施工時にます。最も気孔欠陥が発生しやすいアークスタート時でのアーク2.低水素系溶接棒のアークスタート時の気孔欠陥発生の発生要領や取扱い上の注意点等について説明したいと思い理由ます。1.低水素系溶接棒の乾燥について非低水素系溶接棒の場合はアーク発生直後にシールドガスが発生する温度(200℃程度)に達しシールドガス発生被覆アーク溶接棒には大きく分けて低水素系(代表品及び保護筒が形成されるため溶接ビードを大気から遮断し名:LB-47、LB-52等)と非低水素系(代表品名:B-14、保護します。しかし、低水素系溶接棒はシールドガスが約Z-4等)があります。両者は溶接性も作業性面でも大き800℃程度と高温にならないと発生しないので、アーク発な相違点がありますが、共通点としては使用前の乾燥があ生から保護筒形成およびシールドガス発生までに若干の時ります。各種溶接棒は被覆の種類によって色々な特徴を持間差が生じます。この時間差中に溶けた溶接金属はシールっています。その特徴を最大限に発揮させるためには使用ドガスによる大気の遮断が行われないため、空気中の窒素前の乾燥が重要となります。特に低水素系溶接棒は使用前や酸素が混入し、気孔としてブローホールやピットが溶接の乾燥が最も重要となります(乾燥の目的は被覆剤に吸湿金属中に残ってしまいます。低水素系溶接棒にはこのようおよび吸着した水分を放出させるために行います)。乾燥な特性があるのでアークスタート時に気孔欠陥が発生しや条件の一例を表1に示します。非低水素系溶接棒では70〜すいことを知っておく必要があります。100℃で30〜60分行います。一方、低水素系溶接棒は300〜350℃で30〜60分と高温で乾燥します。この乾燥温度の違3.気孔欠陥防止対策についてアークスタート時に発生する気孔欠陥を防止するためのいは非低水素系の場合は被覆剤に有機物が主成分で含まれ要領を以下に説明します。乾燥を必要とする限界吸湿量※2【要領-1】バックステップ法(後戻り法)最も一般的な方法としてバックステップ法(後戻り法)があります。これは溶接開始位置の20〜30㎜溶接進行方向前方でアークを発生させ、その直後に素早く溶接開始位置に後戻りして、改めて溶接ビードを引く運棒方法です。こうすることで、アーク発生時の気孔欠陥を再溶融し、溶接スタート部3%2%3%2%被覆の種類JIS規格※1(Z3211)イルミナイト系ライムチタニア系E4319E4303神鋼主要品名乾燥温度乾燥時間B-14、B-1770〜100℃30〜60分Z-4470〜100℃30〜60分高酸化チタン系E4313B-33、RB-2670〜100℃30〜60分非低水素系鉄粉酸化鉄系低水素系E4327E4316E4916Z-27LB-6LB-270〜100℃30〜60分300〜350℃30〜60分0.5%※1:軟鋼・高張力鋼用被覆アーク溶接棒のJIS規格は2008年12月20日に改正され、表記が変更され※2:気温30℃、湿度80%の雰囲気に放置された際、非低水素系では約8時間、低水素系では約4時ました。間で表記の値に達します。表1軟鋼・490HT用溶接棒の標準乾燥条件13