溶接110番・溶接レスキュー隊119番


>> P.94

レスキュー隊119番レスキュー隊119番鋳鉄と鋳鋼について金へんに寿(ことぶき)と書いて『鋳』という字になります。『いる』あるいは『ちゅう』と読みます。熟語としては、鋳物(いもの)が代表的です。鋳物とは加熱して溶かした金属を鋳型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出して作った金属製品のことを鋳物と言います。金型の形状を変えることで、複雑な形状の品物が大量生産出来るため、自動車などの耐久消費材やその他の機械部品として広く利用されています。お客様からよくあるご質問に「鋳物の溶接には、CI-A1あるいはCI-A2で宜しいですか?」と言う質問が多く寄せられます。鋳物イコール鋳鉄と勘違いされているケースが多いようです。鋳物には図1に示すように大きく分けて鋳鉄系と鋳鋼系があります。CI-A系の溶接棒を使用する鋳物は、鋳鉄系の鋳物に属します。今回は、鋳鉄と鋳鋼の違いについて説明いたします。1《鋳鋼とは》鋳鋼系の鋳物は、一般に使われている圧延鋼板や、鍛鋼品(金属をハンマーで叩いて成形加工したもの)とほぼ同じような化学成分を有しています。鋳鋼は鋳鉄に比べて強さや粘さの点で格段に優れている上に、溶接性もきわめて良いので、鉄骨柱のベースプレート(写真1)、船舶、鉄道車両、工作機械などの重要部品として広く使用されています。(写真2は滑車の鋳鋼品)炭素鋼鋳鋼鋳鋼系低合金鋼鋳鋼種類材質JIS記号主たる化学成分主な用途表1鋳鋼の分類低炭素鋼SC中炭素鋼SCW低マンガン鋼SCCクロムマンガン鋼シリコンマンガン鋼SCMNCrSCSiMnモリブデン鋼SCPH11クロムモリブデン鋼SCCrM高マンガン鋼SCMnH1P≦0.04S≦0.04C≦0.22Mn≦1.50C0.30~0.50Mn0.50~0.80C0.25~0.45Mn1.20~1.60Cr0.40~0.80C0.25~0.35Si0.50~0.80Mn0.90~1.20C≦0.25Mn0.50~0.80Mo0.45~0.65C0.25~0.40Cr0.80~1.20Mo0.15~0.35C0.90~1.30Mn11.00~14.00クロムステンレス鋼SCS1~SCS2C≦0.24Cr11.50~14.00クロムニッケルステンレス鋼SCS3~Ni5.00~22.00Cr11.50~27.00高クロム耐熱鋼SCHC≦0.50Cr12.00~28.00一般構造用同上産業機械同上建設機械用部品同上同上耐摩耗用非磁性部品化学工業装置化学工業食品工業石油装置高温耐食バルブ硝酸工業高クロムニッケル耐熱鋼SCH11Ni4.00~37.00Cr13.00~28.00熱処理炉部品鋳物高合金鋼鋳鋼ねずみ鋳鉄炭素鋼鋳鋼鋳鉄系可鍛鋳鉄球状黒鉛鋳鉄図1系統図低合金鋼鋳鋼高マンガン鋼鋳鋼ステンレス鋼鋳鋼耐熱鋼鋳鋼高合金鋼鋳鋼写真1ベースプレート写真2滑車の鋳鋼品2


<< | < | > | >>