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●解説コーナー低水素系被覆アーク溶接棒(LB系)の棒長450mm1.はじめに神鋼の低水素系被覆アーク溶接棒と言えば、FAMILIARCTMLB-47やFAMILIARCTMLB-52Uが聞き慣れた銘柄でしょうか?低水素系溶接棒は、溶接金属中に残留する水素量を低減させる目的で開発され、耐低温(遅れ)割れ性に優れた溶接棒です。主な適用用途としては厚板部材や高強度部材などの溶接、適用鋼種としては低温割れが発生しやすい各種高張力鋼や中・高炭素鋼および特殊鋼などの溶接に用いられています。また、JIS検定やボイラー溶接士免許などの受験時や、全国溶接競技会でも使用されるなど、その信頼性は高く評価され、長年に亘り幅広い業種のお客様にご使用頂いて参りました。今回、この低水素系被覆アーク溶接棒を、JIS検定や溶接競技会においてさらに使いやすく、通常の業務でも作業効率をさらに向上させた、棒長の長いタイプを追加致しましたので、ご紹介致します。2.棒長450mmラインナップ一覧神鋼の低水素系被覆アーク溶接棒の棒長は、銘柄にもよりますが3.2φや4.0φでは、350mm・400mmが主要銘寸となっておりました。JIS検定などの受験時では、4.0φを使用しても条件や運棒速度などによっては、初層の溶接を棒一本では鋼板全長の溶接が行えないケースもあり、お客様から「もう少し長い棒が欲しい」との声を頂戴しておりました。そのような背景のもと、お客様のニーズにお応えし棒長450mmを新たにラインナップに追加致しました(表1)。主に、JIS検定や溶接競技会向けとしてご使用されることが多い銘柄に450mmを追加しておりますが、「棒長が長いと扱いづらい」というお客様には、現在ご使用頂いている銘寸も存続しますのでご安心ください。3.450mm棒の特徴と優位性現状の棒長の製品と比較して、450mm棒の最大の特徴と優位性を写真や動画を用いてご説明致します。【450mm棒の特徴】Ⅰ.JIS検定の合格率向上N-2V<板厚:9t、裏当て金なし>の初層溶接を3.2Φ棒で使用した場合、一本の棒で鋼板全長の溶接が可能で棒継ぎが不要となります。但し、従来の棒長だと棒が足らなくなるケースもあり、棒継ぎ箇所が裏曲げ試験範囲内となった場合、不合格になるリスクが高まることが課題とされておりました。動画は、FAMILIARCTMLB-52U:3.2Φ棒長450mmの作業です(動画①)。JIS検定のN-2Vを想定し、表2の溶接条件にて施工しており、1本の棒で初層を仕上げていることがご確認頂けます(写真1)。(※但し、開先条件によっては、棒1本では足りなくなることがあります。)通常品では、150mmの試験板のうち120mm程度の辺りで棒が足りなくなることがあります(写真2)。従来はこれを補うために、試験板中央部分(もしくは前半部分)で棒継ぎを行います。図1に、JIS検定試験の曲げ試験位置を記載しておりますので、停止位置をご確認ください。アークスタートが困難な低水素系溶接棒では、棒継ぎは大変高度なテクニックであり、この作業を避けることができるのは大変大きなメリットと言えます。Ⅱ.全国溶接競技会薄板課題の外観向上全国溶接競技会では近年、薄板課題の板厚が3.2tから4.5tへ変更されました。棒長が400mmでは足りるか足りないかギリギリとなり、外観劣化の原因や溶着金属不足写真1JIS検定【N-2V】LB-52U(3.2Φ-450mm)1本仕上げ写真2JIS検定【N-2V】裏曲げ試験位置での棒継ぎ裏曲げ位置表曲げ位置裏曲げ位置表曲げ位置表1低水素系被覆アーク溶接棒棒長450mm追加ラインナップ一覧F:FAMILIARCTM銘柄棒径(mm)先端加工棒長(mm)FLB-47FLB-52UFLB-52FLB-52B※13.24.03.24.03.24.04.0無・有無・有New!New!350、450400、450無・有350、400、450New!無・有無・有無・有無・有New!New!New!400、450350、450400、450450※1鋼鉄道橋溶接工技量試験(JR認定試験)向け被覆アーク溶接棒のため1銘柄のみとなります。252016Summer