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●解説コーナー溶融亜鉛めっき鋼板用溶材ラインナップの紹介【はじめに】品質向上・長寿命化の観点から、昨今亜鉛めっき鋼板の需要が増えているようです。溶接に関して言えば、スパッタの多発や気孔欠陥(ピット・ブローホール等)の発生を招くため、溶接作業は容易ではありません。今回はその亜鉛めっき鋼板用の溶材ラインナップから最近発売した銘柄を中心に、実際の溶接作業性やビード外観等を、動画も含めて紹介したいと思います。【ワイヤの作業性紹介】これから各種専用溶材を溶接動画も含めて紹介して参りますが、動画①・写真①の従来ソリッドワイヤでの亜鉛めっき鋼板溶接状況と比較しながらご覧ください。特にスパッタの飛散状況やアークの安定具合にご注目いただき、専用溶材の作業性や性能の優位性、ピットの少なさ等をご確認ください。写真①[FAMILIARCTMSE-1Z]FAMILIARCTMSE-1Zは、目付量100g/㎡以下の亜鉛めっき鋼板に対し、適用可能な銅めっきなしのソリッドワイヤです。従来ソリッドワイヤと比較して抜群のアーク安定性を有しています。また、亜鉛蒸気の影響を受け難い設計になっているので、気孔欠陥の発生も少なくなります。動画②・写真②にFAMILIARCTMSE-1Zの溶接状況を示します。従来ワイヤでは時折アークが不安定になり、大粒のスパッタが発生しておりますが、FAMILIARCTMSE-1Zはアークが安定し細かいスパッタが散っている状態なのがわかります。細かいスパッタは発生量が多く見えるかもしれませんが、一粒の熱量が小さく遠くに飛散するため、母材に融着し難く除去が容易です。写真②[FAMILIARCTMMX-100Z]FAMILIARCTMMX-100Zは、目付量150g/㎡以下の亜鉛めっき鋼板に適用可能なメタル系フラックス入りワイヤです。薄板用に、低電流の作業性を考慮して設計されており、1.2mmφのワイヤ径で1.2t程度までの薄板を溶接する事が可能です。一般的にイメージされるルチール系フラックス入りワイヤと違い、このワイヤはソリッドワイヤ並みのスラグ量になっております。動画③・写真③にFAMILIARCTMMX-100Zの溶接状況を示します。特徴はFAMILIARCTMSE-1Zに近いようにも見えますが、安定性が更に良好で、スパッタ量が少ない様子が窺えます。また、ビード形状がより滑らかな形状になります。写真③動画①動画③動画②動画④252017Summer