技術がいど2012-201501


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-1-クリープ破断寿命予測技術がいどVol.522012年1月号試験・調査報告1.はじめに><金属材料は、高温下で力が加わり続けると、降伏応力(耐力)より低い一定応力でも徐々に塑性変形が進行することがあります。これをクリープ現象と呼びます。クリープ現象は、高温・高圧であるほど進行が早く、その法則性から破断までの寿命をある程度の精度で予測することができます。そこで、今回は金属材料のクリープ破断寿命予測方法について紹介します。<2.クリープ試験>材料のクリープ性能を評価するには、試験片に高温の一定温度下で降伏応力未満の引張応力を一定に加え続け、ひずみや破断時間を測定します。試験片に伸び計を取り付け、経過時間毎の伸び(ひずみ)を測定する試験はクリープ試験と呼びます。また、試験片が破断するまでの時間(破断時間)だけを測定する試験を、クリープ破断試験と呼びます。図1に、クリープ試験機および試験片の一例を示します。実際には、平行部径10~13㎜φの丸棒試験片や板状試験片もあります。試験片は、電気炉で指定温度まで昇温し、1~24時間の均熱後、所定の試験力を負荷します。試験片に伸び計を取り付けて、ひずみを測定した場合、一般的に金属材料では図2のようなクリープ曲線(ひずみ-時間線図)を得ることができ、3段階の遷移クリープ、定常クリープ、加速クリープを経て破断に至ります。定常クリープでは、ひずみが一定となる範囲があり、そのひずみ速度を最小クリープ速度(または定常クリープ速度)と呼びます。断×破加速クリープ域定常クリープ域遷移クリープ域ひずみ(-)最小クリープ速度(h-1)瞬間伸び時間図2クリープ曲線破断時間(a)レバー式クリープ試験機▽▽▽R5308010(b)クリープ試験片(単位:㎜)図1クリープ試験機および試験片の一例


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