技術がいど2012-201501


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<水の恵みと環境>デリーの街を貫流する全長1,370kmのヤムナー川は、大河「ガンジス川」最大の支流でやがてベンガル湾に流れ込む。水汚染など課題を持ちながらも政府は巨額を投じ、川の浄化に力を入れている。作物畑はオールドデリーに近い川の側に広がっていた。ダイコン、キャべツ、ナスなどが育ち、その他種類も多い。6月から9月まで続くモンスーンの時期は、大量に降る雨で増水し、川沿いの畑は全て水没するという。その間、農家は住む場所を移し、雨季をやり過ごす。農家の女性が固くなった土を手作業でほぐしていた。乾季には水が極端に少なくなり、「水」はより貴重になる。人口増加と水の確保は国の関心ごとで、観光、産業そして環境にも少なからず影響を与える。インドの訪問は、「水の未来」について考えさせてくれる旅でもあった。文・写真:高野弘水中・水辺のフォトジャーナリスト協力:インド政府観光局畑の土をほぐす女性。ヤムナー川に沿って広がる農地とキャベツ畑。


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