技術がいど2012-201501


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技術レポート[vol.522012-5]亜鉛めっき鋼板用溶接ソリューション『TM』について泉谷瞬(株)神戸製鋼所溶接事業部門1.はじめにーである株式会社ダイヘンのパルス制御技術を融合す自動車の部品等に用いられる亜鉛めっき鋼板は、溶ることにより、①耐気孔性の向上、②スパッタの低減を接時に亜鉛めっきが蒸発することにより、ビード表面に実現した新プロセスを開発した。本プロセスは開口した穴として発生するピットや、ビード内部に内包さ『J-SolutionTMZn』と称し、溶接ワイヤ、溶接電源、シーれて残留するブローホールといった気孔欠陥が発生しルドガスを組合せた革新的な溶接施工法である。本稿やすい。また、亜鉛ガスの影響で溶滴および溶融池がでは亜鉛ガスの放出メカニズムと抑制方針、そして吹き飛ばされ、スパッタも多く発生する。『J-SolutionTMZn』の特徴について紹介する。このように、従来から亜鉛めっき鋼板の溶接は気孔欠陥の発生およびスパッタの増加(図1)が課題とされ、溶2.気泡放出メカニズム接材料、または溶接電源の面からそれぞれ改善がなさ従来、亜鉛めっき鋼板の溶接において、気孔欠陥を減れてきたが、いずれの場合も単体の開発では根本的な少させる方法としては、溶融池内部で(a)亜鉛ガスを如解決には至っていなかった。何に貫通しやすくできるか、もしくは(b)亜鉛ガスを溶融上記課題に対し、まず亜鉛ガスの放出メカニズムを解池内部に押し止めることができるかが志向され、溶融明し、神戸製鋼所の材料技術と溶接電源・ロボットメーカ池特性に大きく依存していると考えられてきた(図2)。し図1亜鉛めっき鋼板溶接における気孔欠陥とスパッタ量図2気孔欠陥抑制の方針-1-


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