技術がいど2012-201501


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<森と流氷が育てる利尻コンブ>その流氷はオホーツク海から栄養を運び、昆布の生次の日、地元の漁師さん同行で、本格的な「利尻育にはとても必要なこと。だが、漁師さんの話では、コンブ漁」を取材。岸から、数百メートルほど離れた、近年、その流氷に変化があるという。漂着時期のず水深5メートルより深い海が撮影ポイントとなった。これや氷の量などが微妙に影響し、十分な栄養がコンこでは、2年ものと呼ばれる漁対象のコンブが育つ。ブの漁場に届かないことも減少の原因があるよう圧縮空気が満タンに詰まったタンクを背負い、さっそだ。く海の中へ。やや緑色した海中を潜り、ゆっくり海底に向かう。そして近づくと、まさにコンブの絨毯のよう<日本の昆布の95%を北海道で採取>に一面に利尻コンブが広がっていた。その中に一際昆布には、「真昆布」「利尻昆布」「日高昆布」など大きく育つコンブが。2年ものだ。撮影に集中してい大きく分けて、8つに分かれ、国内の採取量の実にると、長い棒が海底に伸びてきた。漁師さんのコンブ95%が北海道産だという。採取場所によって、堅さ漁が始まった。他、姿・形に違いがあり、「だし」の出具合も異なる。海底に育つ、予想以上のコンブの量は迫力満点。今回取材した利尻コンブは興味深い。黒褐色で、い圧倒されながら、撮影は1時間ほど続いた。僕の目かにも海のエキスをたっぷり体内に持つ感じで、高には十分な量と思うが、コンブ漁を何十年も続けてき級だしとして人気が高い。特に、薄い塩味、そして澄た漁師さんの言葉は意外だった。「最近はコンブのんだ「だし」として京都でずいぶん使われるようだ。ア数が減ってきてね!」という。コンブを育てる主な条イヌ語では、利尻コンブのことを、「ルルキナ」と言わ件は、海岸に迫る樹林の量、そして流氷だとのこと。れ、「だしの出る」という意味だそうだ。2年もののコンブ。コンブの生長の鍵となる流氷(撮影地:網走沖合い)。利尻コンブを干す作業(撮影地:稚内)。


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