技術がいど2012-201501


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菅原大志(株)神戸製鋼所溶接事業部門溶接開発部1.はじめに「Superduplex鋼フラックス入りワイヤDW-2594」につい二相ステンレス鋼は、フェライト相とオーステナイト相て紹介する。がほぼ1:1となるように調整された金属組織を持ち、高い強度特性と、優れた耐孔食性、すきま腐食性、耐SCC性2.二相ステンレス鋼の種類と特徴を有する特徴がある。二相ステンレス鋼には、S31803や二相ステンレス鋼は耐孔食性に優れることから、海水S32205,SUS329J3L等に代表されるStandardduplex鋼に淡水化プラントや海底油田・ガス田の掘削に用いられる加えて、他の二相ステンレス鋼よりも耐食性は劣るが、油井管やポンプ等の石油・天然ガス関連設備、排煙脱Ni,Moの含有量を抑えてコストを下げつつ、304L,316Lと硫設備、化学関連設備、ケミカルタンカー内部のコルゲ同等レベルの耐食性を持たせたLeanduplex鋼や、さらート状隔壁材(写真1)等幅広い用途に用いられている。に厳しい腐食環境に耐えられるようにCr,Mo,Nの含有近年では、その高い強度特性を利用して、香港のストー量を高めたSuperduplex鋼が存在する。ンカッターズ橋(写真2)やカタールのドーハ新国際空港二相ステンレス鋼の鋼種の増加に対応して、ステンレの屋根等、一般構造物への適用も広がってきている。ス鋼フラックス入りワイヤの溶材規格であるAWSS31803やS32205に代表されるStandardduplex鋼は最A5.22/A5.22Mの2012年度版にLeanduplex鋼に対応したも汎用な二相ステンレス鋼であり、オーステナイト系スグレードが新規に追加された。本稿では従来からテンレス鋼と比較してNiの添加量が少なく、オーステナStandardduplex鋼用に取り揃えている「Standardduplexイト形成元素としてNを添加した22Cr-5Ni-3Mo-0.15Nの鋼フラックス入りワイヤDW-2209」に加えて、新たに開成分系となっている。表1にStandardduplex鋼、Lean発した「Leanduplex鋼フラックス入りワイヤDW-2307」、duplex鋼、Superduplex鋼の代表鋼種の化学成分を示す。技術レポート[vol.532013-5]二相ステンレス鋼フラックス入りワイヤの製品紹介Standardduplex鋼Leanduplex鋼Superduplex鋼写真2香港ストーンカッターズ橋写真1ケミカルタンカーの隔壁材表1代表的な二相ステンレス鋼の化学成分(wt.%)UNSS31803S32205S32101S32304S32750S32760C0.020.030.020.020.03Si0.50.70.50.40.3Mn1.54.91.50.70.7P0.020.030.020.020.02S0.0010.0010.0010.0010.001-1-Cu0.40.20.20.10.6Cr22.121.622.725.625.4Ni6.01.54.77.07.0Mo3.00.20.33.83.5W---0.10.6NPREW0.120.220.100.280.2133.925.825.342.841.3


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