技術がいど2012-201501


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知的財産権について一般的に「財産」というと、自動車や家等、具体的一方、「著作権」は、小説、絵画、音楽等、思想まな形のある「有体財産」を思い浮かべますが、音楽や、たは感情を創作的に表現したものである著作物を保ソフトウェアのような具体的な形のない「無体財産」も護しています。産業財産権とは異なり、手続きを必要あります。この「無体財産」の中には、人の知的創造とせず、著作物を完成させた瞬間から権利が発生す活動によって生みだされた発明、考案、デザイン、標るという特徴があります。識(ブランド)、著作物等の創作物が含まれます。これその他、営業秘密等は、不正競争防止法により保らのような「人の知的創造活動によって生じた無形の護されています。近年話題になったニュースとしては、財産」を知的財産といい、知的財産について法律上2012年4月に、新日本製鐵㈱(当時、現・新日鐵住金認められた権利を総称して「知的財産権」と呼びま㈱)が、韓国の鉄鋼大手ポスコ等を相手取り、方向性す。電磁鋼板に関する製造技術(営業秘密)を不正に取知的財産権という言葉は、元々「Intellectual得・使用されたとして、不正競争防止法に基づき提PropertyRights」という英語が語源であり1980年頃か訴した事件が挙げられます。ら使われていましたが、2002年12月4日公布された直近では、2013年6月7日に政府が「知的財産政「知的財産基本法」において初めて明確に定義され策の基本方針」を閣議決定しており、知的財産権のました。この法律は2002年2月に小泉純一郎元首相重要性は今後、ますます高まるものと思われます。が国家戦略の一つとして打ち出した「知的財産立国」の実現に向けて制定されました。(参考文献)現在、日本における知的財産権は、産業の発展に特許庁HP寄与することを目的とする「産業財産権」と、文化の発http://www.jpo.go.jp/seido/s_gaiyou/chizai02.htm展に寄与することを目的とする「著作権」とに大別す文化庁HPることができます。http://www.bunka.go.jp/chosakuken/chitekizaisanken.html「産業財産権」は、発明を保護する特許権や、物品の形状、構造またはその組合せに関する考案を保((株)神戸製鋼所溶接事業部門護する実用新案権、物品の形状等物のデザインを保技術センター知的財産室護する意匠権、商品やサービスに関して用いられる標識(ブランド)を保護する商標権が中心となっております。これらの権利は、特許庁に申請し、登録されることにより権利が発生します。小池貴之)種別保護対象権利期間特許権発明実用新案権物品の形状、構造またはその組合せに関する考案物のデザイン商品やサービスに用いられる標識出願から20年登録から10年登録から20年登録から10年(更新あり)小説、音楽及び絵画等の著作物(ソフトウェア等のプログラムも含む)創作時から著作者の死後50年不正競争の防止(不正競争防止法)営業秘密等営業秘密など期限なし2013年7月意匠権商標権著作権産業財産権著作権等知的財産権513


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