技術がいど2012-201501


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技術がいどVol.532013年9月号③解析条件の設定-3-溶接条件、拘束・境界条件を入力し、伝熱解析を行います。温度履歴について解析結果と実測結果を比較した結果を、図4に示します。入熱効率を調整することで、最高到達温度、冷却速度ともに良い一致を示しました。入熱効率は、一般的なマグ溶接の入熱効率である70%近辺で調整しました。伝熱状況が実測と解析で一致することを確認した後、残留応力解析を実施します。④計算実行、結果取得溶接線直角方向の残留応力について解析した結果(残留応力の断面分布図)を、図5に示します。YGW17の溶接部における残留応力範囲は狭く、-100MPa以下の圧縮応力が分布している程度ですが、10Cr-10Niの溶接部では広範囲に大きな圧縮残留応力を持ち、またそれとつり合うように熱影響部には引張残留応力が分布していることが分かります。実測:上板4mm位置実測:下板6mm位置実測:下板8mm位置解析:上板4mm位置解析:下板6mm位置解析:下板8mm位置0.511.52時間(min)12001000800600400200温度(℃)00図4温度の実測と解析結果の比較(10Cr-10Ni)圧縮-350-250-100-4500100250450引張(MPa)(JISZ3312YGW17)(10Cr-10Ni)図5溶接線直角方向の残留応力断面分布


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