技術がいど2012-201501


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まずは、紋様の彫られた型紙を使って、刷毛で布絞り染めは古来、分業での製作体制を採っている。地の上に下絵を写し取る。次に、その下絵の線に沿これは何も、製作効率を高めるためだけのものではって、針と糸でひと針ずつ縫っていく。縫った糸を引ない。き絞り、糸の境界線ぎりぎりの部分を糸でぐるぐると100種類以上もあるという、絞りの技法の数々。た巻いて固定し、防染箇所を丸い粒状に成形していく。だし、一人の職人が生涯に経験する技法はせいぜ最後に粒全体をビニールでくるんだところで、田端さい数種類だ。彼らは各々、その数種類の技術に専念んの担当する作業は終了だ。し、生涯をかけて技術を極めていくという。分業ゆえ防染された布地は、いったん染め職人に託される。に、職人ひとりひとりの高度な技術が精錬されていく染め工程を終えて戻ってきた布地の糸をほどくと、防のだ。染処理を施した箇所だけが染まらずに残って、まるい水玉紋様が鮮やかに浮かび上がる。また、紋様が複雑になればなるほど、一枚の布地下絵の上をなぞるように、糸で紋様の縁を縫っていく。粒の中には、布地の裏側から紙芯を差し込んで成形する。この紙芯も、古新聞紙を使った田端さんの手づくり。縫った糸を引き絞り、紋様の縁ぎりぎりの部分を糸の素材は、麻。麻の繊維は水分を吸うと縮むため、麻糸で巻いていく。染めの境界線となる部分だ。染料につけると糸がより強く引き締まる。防染箇所をビニールで包みこむ。ぼうし絞りのできあがり。絞った後の立体的な布の風合いも、古くはビニールではなく、竹の皮を使ったそう。手仕事ならではの味わいだ。


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