>> P.43
※本稿は掲載当時の情報です。詳しくは(株)神戸製鋼所にご確認ください。新人営業マンのための溶接基礎講座第回『ステンレス鋼と炭素鋼の異材溶接について』はじめにステンレス鋼は原子力・圧力容器・石油化学・自動車部品・建築用材料等各種分野に広く採用されており、必然的に異材溶接が必要となります。一言に「異材溶接」と言ってもその組合せは非常に多く、今回は比較的組合せの多いステンレス鋼と一般的な炭素鋼との異材溶接における溶接材料の選定方法と施工上の注意点についてお話し致します。一般的な異材継手形状には「T継手」「突合せ継手」などや合せ鋼板の「クラッド鋼」などがあります。溶接材料の選定や施工要領は、いずれも同じ考え方で扱うことが出来ます。.ステンレス鋼と炭素鋼の異材溶接について-溶接材料の選定すみ肉や突合せなどの異材継手に適用される溶接材料を表に示し、その説明を以下に述べます。①オーステナイト系ステンレス鋼と炭素鋼の溶接炭素鋼とSUSやSUSLなどの溶接には、主に系の溶接材料を適用します。オーステナイト系の溶接金属は、高温割れの発生を防ぐために、数%以上のフェライト量を含有した組織となっています。溶接に際しては、炭素鋼側の溶込みが大きくなると溶接金属中のフェライト量が減少し、高温割れの危険性が大きくなるので注意が必要です。尚、溶接物が熱サイクルの激しい環境で使用される場合や、比較的高い温度で長時間使用される場合はNIC-Aなどの高ニッケル系溶接材料が適用されます。その理由は、オーステナイト系ステンレス鋼の熱膨張係数は炭素鋼の約.倍と大差があるため、その中間の高ニッケル系溶接材料がクッション材の役目となり、熱サイクルによる熱応力割れが発生しにくいという理由によります。②マルテンサイトおよびフェライト系ステンレス鋼と炭素鋼の溶接この場合はNb系、系、高ニッケル系溶接材料が適用されます。Nb系は熱サイクルの激しい場合や、ニッケルが適さない脱硫塔や重油精製などの硫化物を含む環境に適しています。しかし、予熱・後熱などを適切に行わないと低温割れが発生し易くなるので熱管理に注意が必要です。系では予熱パス間温度が比較的低目で施工出来るので多用されていますが、熱サイクルの激しい環境での使用や溶接後熱処理をする場合は、オーステナイト系ステンレス鋼の場合と同様に高ニッケル系溶接材料が表異材溶接における予熱パス間温度ステンレス鋼炭素鋼軟鋼0.5%Mo鋼1.25%Cr-0.5%Mo鋼2.25%Cr-1%Mo鋼オーステナイト系(SUS304,316,347,321など)-100-200℃100-200℃100-200℃マルテンサイト系(SUS410など)フェライト系(SUS405,430など)200-400℃200-400℃200-400℃200-400℃100-200℃100-200℃150-300℃200-350℃表すみ肉や突合せ異材溶接継手の適用溶材適用溶接材料(神鋼)被覆アーク溶接NC-39NC-39LNIC-70A**MIGワイヤMGS-309MGS-309LSMGS-70NCb**TIGワイヤTGS-309TGS-309LTGS-70NCb**フラックス入りワイヤDW-309DW-309L,309LP,T309LNC-39NC-39LNC-39MoLNIC-70A**NC-39NC-39LCR-43Cb*NIC-70A**MGS-309MGS-309LSMGS-70NCb**MGS-309MGS-309LSTGS-309TGS-309LTGS-309MoLTGS-70NCb**TGS-309TGS-309LMGS-70NCb**TGS-70NCb**DW-309DW-309L,309LP,T309LDW-309MoLDW-309DW-309L,309LP,T309Lオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304,304LSUS321,347など)オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316L,317Lなど)マルテンサイトおよびフェライト系ステンレス鋼(SUS403,410,405,430など)"##%組合せ材A(炭素鋼)B(ステンレス鋼)(Cr-Mo鋼、高張力鋼)AB炭素鋼軟鋼および低合金鋼!##$*:Niを嫌う環境の場合使用する**:熱サイクルを受ける場合や加熱温度が約400℃以上の場合に使用する9|年月号(夏号)