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遺伝的アルゴリズム近頃、新聞やテレビで“遺伝”遺伝子”というます。子孫の染色体は親の染色体を部分的に入れ言葉を見聞きすることが多くなりました。クロー替えて得られます。このようにしてその子孫が次ン羊なども誕生しましたし、様々な病気についての世代となって世代交代を繰り返していきます。も遺伝との関係が明らかになってきました。この湖では“1”がたくさん入った(特に1番目生物は遺伝により親から子へとその特徴が受けと4番目)染色体をもつ魚ほど子孫を残す確率が継がれます。それが幾世代にも渡って繰り返され、高いわけですから、世代交代を繰り返すうちにそ環境により適合した個体ほど多く生き残ることにのような魚がたくさん存在する集団へと進化してより進化していくと考えられています。このメカ行くわけです。ニズムを模擬したモデルが1960年代にHollandらこの例では、速く泳げて白い魚がいつも高い適によって提唱された“遺伝的アルゴリズム合度をもっていました。ただ、自然界では環境が(GeneticAlgorithm:GA)”と呼ばれるものです。大きく変わることがあります。生物ではそのときGAでは各個体が{0,1}で表された遺伝子の列であにでもみんなが死んでしまわないように、種に多る染色体をもち、その染色体から環境への適合度様性を保たせる遺伝子の突然変異などがありまが計算されます。そしてたくさんの個体が集まっす。また突然変異により優れた個体が生まれる可た集団が1つの世代となり、集団の中で適合度が能性も秘めています。GAでもある位置の遺伝子高い個体ほど、より高い確率で子孫をつくります。の0と1をある確率で反転させることにより、同その子孫が次の世代となり、世代交代を繰り返し様の効果をもつように考えられています。て、環境への適合度が高い個体がたくさん存在す他に、遺伝子の表現方法、子孫を残す個体の選る集団へと進化していきます。択方法や交叉の仕方、適合度の計算方法、個体死図1の例を考えてみましょう。湖の中にたくさ滅の基準など様々な事柄が考えられており、生物んの魚がいたとします。この湖は水深が浅く砂がの進化過程を模擬しています。白いため、速く泳ぎ、色の白い魚に適した環境とこのようにGAは、集団でより良い方向へ向かっなっています。それぞれの魚は“010110”て行きます。方向を決めるのは確率であり、個々のような染色体をもっており、前の3つの遺伝子の個体どうしの間には特に関連がありません。こが泳ぐ速さを表し後ろの3つは色の白さを表しまの特徴からGAは近年になって最適化の方法、特す。これらを2進数と考えると、“010110”に組合せ最適化や多数の局所最適解をもつ問題にという染色体の場合、泳ぐ速さ=2,色の白さ=6対する方法としても注目されるようになってきまとなり、適合度は2+6=8となります。この湖した。例えば、巡回セールスマン問題や、コージの中からカップルが選ばれ子孫を残します。このェネレーションシステムの機器の構成を決定するとき、適合度の高い個体ほど高い確率で選択されことに適用されています。0,1}ではなく実数をそ染色体0101102+6=8適合度適合度計算選択010110Daddy交叉Children011010101001Mummy100101図1のまま遺伝子とすることにより、連続変数の最適化に利用する方法も考えられています。また、近年遺伝子工学はめざましく発展しています。GAもより生物の進化に近い方法が考え出され、コンピュータにより進化の謎が解き明かされるのも、そう遠くはないかもしれません。(1998年10月号)205