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埋もれアーク「埋もれる」というと、ひと昔前の「個性が埋溶融池に捕まって表に出にくいというのが低スパもれる」→「没個性の人間」などと連想されますッタの理由であり、埋もれアークでは溶込み幅がが、最近ではやたらと個性が目立つ新人類が職場狭いというのがアンダカットのできにくい理由でに増え、その行動パターンを理解するのに苦しむす。ことがあります。ましてや溶接を新人類に説明す埋もれアークで溶接するためには次の三つの条るときの難しさは……。件が必要です。「埋もれアーク」という言葉の定義は非常に簡①大電流で溶融池を凹ませる。単です。アークの力で押しのけられた溶融池の中②低電圧で短いアークにする。で、母材の表面より深い位置で溶接されるアーク③溶接速度を大きくしてアーク先行気味にし、状態を言います。横からみると、ワイヤが溶融池溶融池と短絡しないようにする。の中にもぐり込み、アークが埋もれたように見えさらに、トーチの振れなどのないロボットや自ます(図1)。動機で、かつ定電圧特性の優れたインバータ電源溶接ワイヤでガスシールドアーク溶接する際、との組合せが必要となります。一般的には埋もれアークにはせず、ワイヤ先端が例えば板厚3.2㎜の重ねすみ肉溶接をする場合、母材表面からわずかに(1〜3㎜)外側になるよ1.2㎜のソリッドワイヤで300〜350A,26〜28V,うにします(図2)。100〜150㎝/分の条件で溶接すると、アークは埋これは、アークが見やすいとか、溶込み形状・もれアークとなり、炭酸ガスアーク溶接でも驚くビード外観などの点でメリットがあるからで、半ほどスパッタの発生が少なくなります。自動溶接での標準溶接条件とはこのようなアークしかしこのときのビードは深溶込みながら幅がになる電流・電圧条件が選ばれてます。狭く、少し凸状となるので、埋もれアーク溶接はしかし埋もれアークにも長所があります。第一非常に限られた部材にのみ適用されています。に炭酸ガスアーク溶接でもスパッタの発生が極め「埋もれる」からさらに連想するのは「埋蔵金」、て少ないこと。そして第二はアンダカットなどのそして一度は埋もれてみたい銭の山。でもその前ビード欠陥が少ないことがあげられます。スパッに仕事の山と書類の山に埋もれているこの現実をタが発生しにくい特異な溶滴の移行形態をしていなんとかしなければ!!ることと、ワイヤ先端から飛び出したスパッタは(1993年1月号)18