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透過型電子顕微鏡(TEM)1.TEMとは?これらの像を観察することで、試料の晶癖、粒度分布、TEMとは透過型電子顕微鏡(Transmission表面構造、凝集の度合い等の情報を得ることができElectronMicroscope)の略称で、観察したい試料にます。対して電子線を照射し、透過してきた電子を結像してまた、試料に電子線を照射すると、電子線が回折観察を行う電子顕微鏡です。通常の光学顕微鏡と同されて、その物質の結晶固有のパターンが得られま一に考えることができますが、電子線を光源に用いるす。このパターンを解析することにより、物質の結晶ことで、100万倍といった超高倍率でも高い分解能を構造や結晶方位等の情報を得ることができます。こ得ることができます。TEMの主な用途は、金属や半れらを複合して、原子レベルでの組織構造や結晶構導体、セラミックス等を中心とした無機材料が多いの造を得ることができます。これら以外にも、電子線照ですが、冷却機構を備えた装置を用いて生体試料、射によって発生する様々な信号を解析することで、微微生物、細胞との観察にも用いることができます。小領域の元素組成や結合状態解析を行うことができ2.試料の作り方電子は試料に照射すると、相互作用(散乱、回折ます。4.TEMの観察例等)を及ぼすため、試料を非常に薄くする必要があり図2は2相ステンレス鋼溶接金属の観察例です。ます。その厚さはおおよそ200μm以下と言われていこの観察例は、同じ溶接金属に500℃の時効熱処理ます。このような超薄膜試料を作成する方法としては、を加えた場合の組織変化を調べた結果です。その熱ミクロトームを用いて超薄切片を切り出す方法、電解処理によって、フェライト中に針状~板状の形態を持研磨やイオンエッチングを用いる方法等があります。ち、高濃度のCr,Mo,Siを含有するσ相が生成したこ3.TEMでわかることとが、EDX分析と電子線の回折パターン解析によっTEM観察では、検出する電子の種類により、大きて確認できています。く分けて2つの像が得られます。試料に電子線を照(提供:神鋼溶接サービス㈱)射し、そのまま試料を透過する電子(透過電子)を結像させたものが明視野像であり、相互作用によって((株)神戸製鋼所溶接カンパニー技術開発部散乱する電子(散乱電子)を結像させたものが暗視野像です。通常の形態観察には明視野像がよく用いられますが、暗視野像を用いると、結晶粒界や双晶等各種の境界線を明瞭に観察することができます。柳圭一郎)析出物α相結晶構造内部組織形態結晶幾何化学組成固体構造σ相(FeCrMo)図1TEMから得られる信号と内容図2溶接部のTEM写真2010年3月二次電子(反射電子)オージェ電子AES入射電子特性X線EDX光CL試料収束電子線回折非弾性散乱電子CBED透過電子・弾性散乱電子EELS明視野像・暗視野像電子線回折電子回折パターンγ相1μmσ相組成[wt%]Si3.6Ni6.6Mn0.4Cr28Fe49Mo13SEM表面形態393