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溶射JISの溶射用語によると、溶射とは「燃焼またはす。特にプラズマ溶射は、密着性の良い、ち密な電気エネルギーを用いて溶射材料を加熱し、溶融皮膜の得られる施工として近年急速に発展・普及またはそれに近い状態にした粒子を吹きつけて皮しています。膜を形成すること」と表現されています。でも、溶射には、次のような多くの優れた特長がありこれだけでは、具体的なイメージはちょっとつかます。みにくいでしょう。①ほとんどあらゆる材質の表面に皮膜を形成できでは、溶射とはどのような技術で、どんなことます。金属はもちろんのこと、ガラスなどの非金ができ、溶接とはどこが違うのでしょうか。属やプラスチック、木材、繊維などの有機物にも図1は、もっともよく用いられる溶射法の1つ溶射ができます。である「粉末式フレーム溶射」の模式図です。こ②溶射材料として極めて多くの材料が利用できまの方法では、粉末の溶射材料として用い、火炎のす。金属をはじめ、セラミックス、プラスチック中で溶融した粉末は、燃焼ガス流で加速され、高さらにはこれらの混合物や複合物も皮膜とするこ速で母材に吹きつけられます。母材に衝突した粒とができます。子は、扁平につぶれて急速に凝固し、次々に層状③製品の寸法には制限がありません。広い面積へに重なりながら皮膜を形成していきます。積層さの全面溶射から大型構造の一部分への溶射まで自れる粒子の凝固速度は極めて速いため、お互いの由に行えます。粒子は十分に融合せず、皮膜は多孔質なものとな④製品に加わる熱量が少ないため、熱によるひずります。また、皮膜と母材の接合はほとんど機械みはあまりでません。的な結合によるため、接合強度は、溶接に比べ、⑤皮膜の厚さをかなり広い範囲で変えられます。かなり低くなります。一般に数十µm〜数㎜まで可能です。溶射では、熱エネルギーは、溶射材料を溶融(まこうした多くの特長を持つ溶射法は、表面改質たは半溶融)させるだけに利用され、母材はほとの手段として各方面で広範囲に用いられており、んど加熱されないので溶融しません。このことが、大きな物では製鉄所のロールに耐熱耐摩耗などの母材を溶かす溶接とは根本的に違うところです。目的で溶射が行われており、小さなものでは数㎜溶射の施工法としては、いま述べた粉末式フレの各種センサーや、装飾品などへも利用されていーム溶射以外に、ワイヤを溶射材料とする溶線式ます。最近では、レーザーを利用した溶射などもフレーム溶射、熱源としてプラズマアークを用い研究されており、今後はいままでと違った分野へるプラズマ溶射、2本のワイヤ間にアークを発生の利用も進み、ますます適用範囲は広がるものとさせ、溶融した金属を圧縮空気で母材に吹きつけ期待されています。るアーク溶射(図2)などが多く用いられていま(1988年5月号)152